第20話歪み
第20話
その日以来、会社にも支障が出てしまった
店での態度も、全て変わり果ててしまった
もう日常は、戻ることは無いだろう…
怯えるしか無かった
人間を怯えるしか…
そんな人生に限界を感じた京美は、精神病院に入院した
しかし、何も変わることはなかった
ご飯も断るほど、嫌になってしまった
風呂へ入ろうとしても、不安になり、入ることはできなくなってしまった
人に聞きたいことを聞こうとしても、聞けない
不便な状況ばかり続いた
社会復帰することは難しいくらい歪んでしまった
人間の価値観も歪んでしまった
自分の価値観も歪んでしまった
人間関係も歪んでしまった
京美は、自分が歪んでいることは、わかっていた
わかっていたけど、どうにも抗うことはできない
トラウマが強すぎるのだ
だから、毎日毎日悪夢を見る
本当に嫌な悪夢
虫嫌いもさらに悪化してしまっていく一方だった
人と関わりたいのに、関わることさえできない
安全のための薬を医者にもらおうとしても、危ないものだと思い込みパニックになってしまうことも多々あった
京美は、人間の歪みの中の歪みの中の歪みになってしまったのだった
あの後、ニュースでは、魔裟斗は、京美が切り忘れた録音機が決めてとなり、死刑判決を受けた
「俺は悪くない!京美が悪いんだ!愛もなんもわかってくれない京美が悪いんだ」と魔裟斗は叫びながらながら、連行されて行く映像が映し出された
だが、魔裟斗が死刑判決になっても京美の気は晴れない
まるで頬にできた切り傷の刻印ように絡みつく
さらに、歪みのどん底へ落ちていく
螺旋階段の中央に落ちていく
歪んでる
歪んだ
歪み
歪
どんどん奥へと落ちていった
次回第21話




