6.先輩B
自死のお葬式に、言った事があります。
夫の職場の先輩が、急に亡くなりました。
職場の先輩と言っても、
夫の将棋仲間でもありました。
休日に、将棋を指しに、
我が家に、来られた事もあります。
その時、履いていらした指ソックスを、
始めてみた子ども達が、面白いと言って、
みんなで大笑いした記憶があります。
船も所有していらっしゃって、
夫も、いつか自分の船を持ちたい、
と言っていた程です。
年齢は、50歳近くでしょうか。
結婚して、奥さんも子どもさんもいました。
1か月前に見かけたときには、とても元気だったのに、
と夫もびっくりしていました。
噂によると、借金を苦にしての、
自殺だという事です。
山の中の、車の中で見つかりました。
「噂は、本当だろうか?」と思いながら、
私と夫は、お葬式に参列しました。
そこには、奥さんと、
中高生位のお子さんが、3人いました。
ところが、そのお葬式は、
今までのお葬式と、全く違っていました。
それまでのお葬式は、中に入ると、
「よく来てくれました。どうぞお参りしてください。」
という感じで、迎えられていました。
しかし、そこでは、
「えっ何故来たの?」という顔をされたのです。
そして、ただ嘆き悲しんでいる遺族と、
それを励ましたり、一緒に悲しんだりする参列者が、
いませんでした。
もちろん、夫(父親)が亡くなった事は、悲しいので、
奥さんも、子ども達も、悲しい顔をしていました。
でもどこか、ほくそ笑んでいるのです。
もちろん、
「亡くなる前に、もっと何か、
できなかったのだろうか。」という後悔の念が、
漂っていました。
と同時に、どこかホッとしたような、
安堵の念も、漂っていたのです。
一番感じたのは、「何も聞かないで欲しい。」
という空気です。
それが、何とも言えない、
異様な雰囲気を醸し出していて、
遺族にかける言葉が、見つかりませんでした。
やはり、借金を苦に亡くなったというのは、
本当かもしれない、と感じました。
そして、自死のお葬式には、できれば行きたくない、
と思いました。
そのお葬式に参加して、私は、
自死のお葬式を、我が家から出したくない、
と考えました。
だから、私も自殺はしない、と決めました。
そして、夫にも、
どんなに苦しくても、借金まみれになっても、
自殺だけはしないで欲しい、と頼みました。
続きは、10月12日(月曜日)に投稿する予定です。




