表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第1章完結】公爵様、三年限定ではなかったのですか!?~契約結婚したらなぜか溺愛されていました~  作者: 山咲莉亜
第2章 咲き誇る赤薔薇 ──差し色は高潔に──

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
206/212

68 エイダン・ロード・レリック

 ◇


 皇帝陛下に呼ばれ皇城内の応接室へ赴くと、そこには陛下だけでなく僕と同じロードの当主──序列第一位のリーシャ・ロード・ユリウス殿とその夫であり、序列第二位フェルリア家の当主でもあるアルヴィン・ロード・フェルリア殿が席に着いていました。


 予想外の出来事に内心驚きつつも目礼をすれば、どちらも律儀に礼を返してくださる。

 しかしその表情は一方は感情の読めない笑み、もう一方は無表情と対極的で……


「……陛下。お言葉ですが、彼女は僕と同じだけの働きができるのでしょうか」


 ウェルロードの重鎮三名を集めて始まった話し合い。

 それは両陛下が隣国へ赴く際の護衛についてで、表向き皇族の護衛騎士を担うレリック家、その当主たる僕が当然護衛に選ばれるのかと思いきや……まさかのユリウス公爵が主な護衛騎士だと言われました。


 驚きと共につい、疑うような言葉を口にしてしまいましたが、後悔はしていません。


「もちろんが序列一位とされる血筋の当主なだけあって、とても優秀でいらっしゃるのは承知の上ですが……」


 ……それでも僕だって負けていないつもりです。皇帝陛下の護衛騎士なのですから。


 口では称賛しつつも、レンズに色が付いたメガネをクイと持ち上げ、見定めるように視線を向ける。

 彼女の戦闘能力を疑っていることを、今更隠すつもりはありません。清らかさが正義ではなくとも、影でコソコソと小言を言うのはレリックの信条に反します。


「あら……でもそうですね、見た目はまともに筋肉もない、軟弱そうな女なのでお気持ちは分かりますよ。いつも舐められますし」


 もっと見た目を鍛えるべきですかね、と肩を竦めるユリウス公爵。けれど口ではそう言いながらも本心でないのはすぐに分かりました。何らかの事情があるのかもしれません。


 ────レリックが持つ特殊能力は『目』に全振りされています。

 表向き皇族の護衛騎士とされる我々ですが、その本質は皇族に近付く者の本心を見抜くこと。すべての者の『真実』を見ます。


 もちろん護衛騎士としてお仕えしている以上、戦闘力も鍛えられていますが、基本的には後方支援型ですね。

 また、能力を使用する頻度が非常に高く、力を使う際の瞳の変化で素性がバレないよう、レリックの者は例外なく特殊なメガネをかけているのです。


 つまりは、レリックの者に嘘を吐くことは不可能ということ。ユリウス公爵の今の発言も然り。


「ほう……たしかに、二人はあまり接点がなかったな。それならリーシャに直接聞いてみるといい」

「少なくともレリックよりは強いだろうがな」

「……では遠慮なく」


 なぜかユリウス公爵本人の意見は聞かずに話が進んでいますが……僕に不都合はないのでお言葉に甘えましょう。


 ひとり不本意そうに首を傾げるユリウス公爵を真っすぐに見つめれば、彼女も同じように僕へと視線を向ける。


 さて、何を聞きましょうか。


「まずは……ユリウス公爵が得意とする武器を教えていただきたいです」

「得意武器は短剣ですが、使える物は何でも使いますよ。今持っている武器はこんな感じですね」


 そう言って微笑んだユリウス公爵は、懐から短剣二本と針仕込みのヘアピン数本、ドレスの袖から銃、そして指先を飾っていた指輪に仕込んでいたらしい数種類の毒薬らしきものなどを取り出し、簡単な説明と共にテーブルへ並べていきます。


「…………」


 得意武器に嘘はない、ようです。ただ正直、予想外が過ぎるのですが……?

 この量の武器をどうやって隠しているのか……それに何となく、まだ隠しているような気がします。皇帝陛下とフェルリア公爵も、当然とばかりの顔をしておられますし……


「……体は鍛えておられますか?」


 すでに気になることが溢れ出し、混乱も相まって自分でもよく分からない質問をしてしまいました。これだけ武器を所持しておいて、鍛えていないはずがありませんのに。


 それでもユリウス公爵は不快感を見せず、相槌を打ってくださった。


「ええ、もちろん。旦那様にもお付き合いいただきまして」


 ──はじめて旦那様のお相手をした日以降、予定が空いていればご一緒されるようになったんですよね。効果的だと思われたのでしょうか。体力のあるお方なのでわたしも鍛えられます、とにこやかに笑うユリウス公爵。


 フェルリア公爵はかなりお強いと、どこかで耳にした覚えがあります。そんなフェルリア公爵のお相手を務められるほどの実力者、ということですか!? この言い分だと、恐らく一戦交えていますよね!?


 ありえない、信じられない。これほど体格差があるのに────


 心の中で叫ぶ僕を嘲笑うように、フェルリア公爵が目を細め、こちらを見ていた。


 ◇

ご覧いただきありがとうございます!

よろしければ感想、レビュー、ブックマークや広告下の☆☆☆☆☆で評価していただけると励みになります!


また、X(旧Twitter)にて新作や更新情報、たまに作品の小ネタ等も載せています。興味を持っていただけましたら、ぜひ下記URLからご覧ください!

(https://x.com/ria_yamasaki)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ