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【第1章完結】公爵様、三年限定ではなかったのですか!?~契約結婚したらなぜか溺愛されていました~  作者: 山咲莉亜
第2章 咲き誇る赤薔薇 ──差し色は高潔に──

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47 広範囲攻撃

「銃……」


 何万、あるいはそれ以上の命を奪っているそれは、主に戦争で利用される武器だ。弓矢よりも遠くまで飛び、熱とスピードによる衝撃で簡単に人を殺すことができる。わたしも何度か持ったことがあるけれど、飛び道具は得意ではなかった。


「人質を守っても、敵に武器を持たせたら意味ねぇよなぁ?」

「わたしに飛び道具は中々当たりませんけど」

「いや、当たってんじゃん」


 あら、たしかにそうですけど……かすり傷ですし、致命傷でなければいいんですよ。わたしの任務は国の危機を救うこと。そして人質となった子供たちを無事にお家へ帰してあげること。


 二回ほど復唱し、最優先事項を頭に叩き込む。結界を張っているとはいえ、これも万能ではないのであの子たちのことを気に掛けながら戦わなければならない。簡単ではありませんが……やってやろうではありませんか。


「いまだにあなた方の目的は分かりませんが、とりあえずわたしの敵であることは間違いありませんし。人通りも少ない場所なので、周囲を気にせず戦えるのはありがたいですね」

「あら、オッドアイのお嬢さん。それはこちらも同じよ?」


 廃教会に響き渡った女性の声と共に、わたしの拳くらいの大きさの何かが飛んでくる。


 視界に入った途端、すぐに思考を巡らせた。

 あれは無視していいもの? 両隣から二人、どちらも剣士。全員連携が取れているだけでなく動きも洗練されている。守りながら避ける余裕は……でも、この状況で意味のない攻撃をするほど馬鹿な女性ではなさそうだった。それにあの形、見覚えがあるような…………


 両サイドの刃が触れる一歩手前で高く跳び上がり、敵同士剣を交えさせる。跳び上がったことで目の前まで来た例のモノは現時点で何も起こっていない。

 ブラフだったのかと思い、再び足元の二人へ目を向けようとしたその時だった。わたしの耳には小さくジュッと何かが焼き切れる音が聞こえ、ようやく投げられた物の正体を思い出す。手榴弾だ。しかもこのタイプは爆発の被害が大きい。


「……ッ!!」


 下には敵、背後には人質。目の前には爆発物で少し先に視線を向ければ手榴弾を投げた女性の姿がある。それなら選ぶべき選択肢はひとつ、投げた本人に返すのみ。


 手榴弾の安全ピンを抜かれて、ちょうど五秒が経過する直前。手にしていた短剣で思い切り彼女の方へ打ち返せば、彼女の元へ辿り着くより早く空中で爆発が起こった。


「煙が……!」


 爆風も激しいけれど、視界が覆われる方が困る。敵の位置を常に把握し続けるための千里眼に、防御用の結界。必要に応じて身体強化も使用。煙の向こうには銃やナイフなどを持った敵もいる。


 不利な状況が重なりすぎていますね。それに……マズい、能力を使った反動がすでに出始めて──……

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