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【第1章完結】公爵様、三年限定ではなかったのですか!?~契約結婚したらなぜか溺愛されていました~  作者: 山咲莉亜
第2章 咲き誇る赤薔薇 ──差し色は高潔に──

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40 未来予想図

「申し訳ありません。恥ずかしながら、リーシャ様の近況を知らなかったもので……正直、橋一本分の予算でも駄目元だったのです」

「なるほど。たしかに嫁いだとはいえ、夫が他領を立て直す分のお金を出してくださるとは限りませんしね……」


 フランクス伯爵家は身分を取り上げられる一歩手前なくらい、貧乏貴族でしたからね。今は余裕があるということを伝えていませんでした。


 こちらこそ申し訳なかったな、と眉が下がる。他にも色々とすれ違いが起きてそうですね……またお互いの情報を擦り合わせておかなければ。


「しかし、本当によろしいのでしょうか? あの川は幅も広いので一本造るのにもかなりの金額が飛びます。それを三本分もだなんて……」

「キュース卿、ご安心くださいませ。実はわたし、個人的な稼ぎがあるんですよ。以前はその稼ぎを投入しても両親が散財するせいで足りていませんでしたが……」


 これくらい、と実際に持っている額の三割程度を指で示す。わたしの私財は国庫に匹敵するので、さすがに本当のことを言うわけにはいかない。稼ぎからロードであることを見抜かれては堪りませんので……


 とはいえ、これでも相当なので、彼は開いた口が塞がらないほど驚いているようだった。でもこれで分かったでしょう?


「これからは無駄なことにこの資金を使われることはありません。領地、または領民のためになることであれば遠慮なく相談してちょうだい」

「あっ……ありがとうございます……! 依頼する大工はすでに候補を絞っておりますので、お時間ありましたらぜひ、経過も見に来てください!」

「あら……ふふ、楽しみにしていますね」


 ちなみに、キュース卿はオシャレな雰囲気にしたいと思っているらしい。

 海に面しているだけあって、景観の美しいこの街に合うことでしょう。いつかは観光名所となるように整備したいと思っているからちょうどいい。


「それから、これはご相談なのですが……この橋を造るにあたって、とある建築士に設計を依頼したいと思っているのです。他よりかなり値が張りますが、腕は国内最高峰。いかがでしょうか」


 そうして告げられた名前に、思わず口角が上がる。これは面白い。すごく良いと思う。彼ならたしかに、わたしが知る中で最も腕が立つ建築士だし、いつかは依頼してみたいと考えていた。

 二つ返事で了承し、こちらからも口添えしておくと伝えれば、キュース卿はとても嬉しそうな顔をする。


 ──その後もシェイラルに関する話し合いは続き、話し合いが終わってから共に視察へ向かったのもあって、フェルリア公爵家に帰ることができたのはその日の日没前だった。

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