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次世代機パスクア  作者: 柳井リュウ
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adventurer

☆クローバー☆


とは言っても。

ワシは頭を抱えた。

小さな観測施設から入った、大きな知らせは、あっと言う間に上層階級に拡がったのだ。

『詳細なデータを速く多量に』

と言われたが、ノイズがひどい。

他の観測施設からも小惑星ヘカテに向けてパラボラとレンズが向けられたが、少々の音声データと多量のノイズが拾えるだけだった。

考古学博物館のなるたけ古い機材を使いもした。

航宙軍の精鋭を二百年ぶりに宇宙に出した。

そして、宇宙空間に何とか一部分だけは活きていたロートル観測機たちを、複数連結させた。

そしてまた少しのデータを得ることが出来た。

さらにアステロイドベルトの、ありったけの無人観測機を耳目にし、火星軌道上と火星衛星軌道上を含む火星、ふたつの衛星の火星圏の観測機を伝達機、中継点に、地球軌道上、月軌道上と月面の探索機観、地球の観測施設を全て投入し、データの分析を試みた。

結果、小惑星ヘカテの地下に、多数の生命体反応が認められた。

それも脳波、波長から女性タイプの可能性が高いという。

みな、いろめきたった。

発見された資料によると小惑星ヘカテは、資源採掘の後、かつて極東の小国に与えられ、流刑地となった。

資源採掘時の太陽電池などは残され、居住は出来るが脱出するすべの無い宇宙の監獄。

そこに送られたのは八人。

資料からみると男女四人づつだった。

パンデミックの遥か前の人類が宇宙に進出していた時代の事だという。

つまり、ゴリ・ラリアンでは無い、パンデミック前の遺伝子を持つ女性がいる。

新しい卵子の提供者がいる。

遥かアステロイドベルトにある小惑星ヘカテに。

別な方法でノイズのひどい音声データの分析も、試みさせているが、送信方法が今の受信再生機に合わないのか、今一つの成果だ。

また、音声以外のデータとしての分析にもかからせた。

こうなったら、調査隊の派遣か。

しかし、過去の記録によればアステロイドベルトの小惑星ヘカテまで現状で四年かかるという。

無人観測機なら四分の一の一年だったが。

ここは有人だろう。

無人だと【誰か】に落とされる可能性が高まる

そこで人員だ。

ゴリ・ラリアンは教育終了までに三十年をかけている。

三十歳の者が四年をかけてヘカテに着くと三十四歳。

女性を伴い帰ってくるのにも最短四年として三十八歳。

そこから子を成すのか?

なかなか子を成せぬゴリ・ラリアンが。

おおむね六十歳迄に子を成せなければそのゴリ・ラリアンは子を成せない。

なぜなら成長したゴリ・ラアンの精子は生後六十年前後からはゆっくりと生産されるようになってしまっているからだ。

つまり六十年を過ぎると、元々少ない精子が、さらにわずかな量しか生産されなくなるのだ。

父親世代が黙っているはずがない。

では、ヘカテで子を成すか。

帰りの宇宙船で産み育てる。

しかし、ゴリ・ラリアンには子育てのスキルは無い。

ロイドは細やかさを必要とされる子育てには向かない。

下層の、労働者を子育ての為だけに連れて行くか。

そもそも、四年でゴリ・ラリアンに子が成せるのか?

そもそもヘカテに女性が居なかったら?

ならば。

「クローバー閣下。御決断を」

部下の声にワシは頭を上げた。

「フッカ副首席を呼べ」

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