pursuer
☆メジャー☆
「ご飯ですよ」
また違う子どもが食事を運んで、直ぐに立ち去った。
まぁ、四人目だからな。
警戒するか。
食事を終えるとすぐに、子ども入って来た。
顔を上気させている。
「うまかった」
「そうですか、よかった」
子どもが笑った。
「少佐、退屈じゃないですか?」
「何かあるのか」
聞いてみた。
「星のお姫様の歌をノイズを少なくして、皆の拾ったのをつないでみたんです。」
さくら色のくちびるの子どもが何か呟く。
「…ッ…ッ…ッ」
部屋の音響から、音楽が流れ始めた。
「これは……?」
曲か?
【ピーコック・ラヴのマリイ・ジーです。
この曲、聴いてください。
……
遠い地で観た懐かしい場所の
蒼く輝く水の惑星は
すべてを受け入れ愛を咲かせてる
想いの示す未来の先へと
ひとりきりで寂しくても
いつかきっと微笑ませてくれる
そんなあなたを今も感じているから
閉ざされた扉開く勇気はあるから
この身を縛るしがらみなくなるとして
もし翼拡げる事が出来るとしたら
あなたを探して行きたいの私も
……
あなたの声は聴けなくても
心にだけは響いているの
見上げる
空に見える気がする
いつの日か見たあなたの微笑み
向かえ来なくても
あなたが想うなら
この翼を羽ばたかせて
迷わず行けるから
輝く蒼い光りの照らす
視線の先にまで
想いを届けたくて
歌った言葉には
いつかの優しさに流した嬉しい涙を
あなたに伝えるの必ず
……
閉ざされた扉開く勇気はあるから
この身を縛るしがらみなくなるとして
もし翼拡げる事が出来るとしたら
あなたを探して行きたいの私も
……
ありがとうございました。お届けしたのは、ピーコック・ラヴ、マリイ・ジーの、彼方の青。でした……】
歌だな。
いつかライブラリーで聴いたことのあるような、年若い歌姫の歌声。
「今のは何だ」
「家で拾ったの星のお姫様達のデータに、いろんな処が拾ったデータの中から、つながるの探して、組み合わせた歌声だよ」
さくら色のくちびるを笑みの形にして子どもが言った。
「どうして、おれに?」
「誰かに聴いて欲しかっただけだね。ジィやトウと一緒に探して、探してやっと見つけて。みんなが一緒探してくれた、違う場所の仲間の詩を」
「そうか」
「これをトウたちの処に流すんだ。みんなに星のお姫様達の声を聴いて欲しいから。そうすれば僕はそれだけでいいんだ。たとえ戻れなくても、消えてしまっても、誰かが僕のつないだ歌を聴いてくれたなら」
「戻れなくてもいいのか」
子どもの肩を掴んでいた。
「そう……だよ。多分」
「ヘカテに行って逢いたくは無いのか」
力が入ってベッドに子どもを倒してしまった。
「行って逢えなかったら、辛すぎる。ならこのまま」
「消えてしまうって、死ぬことだろ」
「……この幸せな今なら」
子どもの頸に手掛けてしまった。
「おれが今このまま手に力を入れたら」
「少佐が、トウたちに歌を届けてくれるならかまわないよ」
そう言って少年はさくら色のくちびるを笑みの形に閉じ、瞼を閉じた。




