表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
次世代機パスクア  作者: 柳井リュウ
26/48

medical scientist


☆メジャー☆


「チェックさせてもらいます」

そう言ってその子どもは、おれの身体にセンサーを向ける。

左下肢を入念に。

艶やかな黒い髪の子どもだ。

センサーからの記録の浮かぶパットを操作しながら子どもは言った。

「少佐はさすが、エリートですね。完治するの早いと思います」

「おれがゴリ・ラリアンだからだろ」

「ゴリ・ラリアンの平均値よりすごくすごく早いんですよ」

黒い髪が躍るほど、頭を上下に揺らしながら、子どもは強い声で言った。

「俺、ゴリ・ラリアンを診るのは初めてなんです。医工だから。いつもはロイドのチェックとメンテナンスしかできないから」

目を伏せて子どもが言った。

「ありがとうございました」

唐突な謝辞。

「意味がわからんのだが」

「俺なんかに傷をを任せてくれたから。メディカルシステムで済むのに」

「おれは、何故ここにいるかわかるか?」

「俺達労働者なんかが、クロ……ジィちゃんに重用されるのが我慢できなくて、俺達を排除するために」

ベッドに引き倒して頸に手を掛けた。

「なら、おれがお前達を排除するのを諦めず、油断させてひとりづつ殺すために負傷を擬態しているのだとしたら」

白いシーツの上に短い、しかし艶やかな黒い髪を乱れさせ、子どもが言う。

「本当に殺すならそんなことは言わないでしょう。少佐は俺達撃たなかった」

また、この子どもの口からもあの話がでるのか。

「コロンが惜しかったからとしたら。今は殺すとしたら」

子ども頸に手掛け続ける。

「それは思わなかった。そうか機体……」

少し黙ってから子どもは続ける。

「俺はジィちゃんと旅に出ると決まってからは、いつ死んでもいいように動いて来たつもりだから、それに今、少佐になら殺られても後悔はないです。どうぞ」

おれを見詰めて、そう言うと少年はまぶたを閉じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ