出会い4
入ってきた人物を見て、私は目を見張った。
わあ、とっても綺麗な人。
これは、噂のイケメン━━と言うものではないのだろうか。
これが任務で見張れと言われた人物か。
バッチ
とレンと言う人物と視線が交わった。レンはびっくりしたように目を見開いた━━まるで…信じられないものを見るように……。
えっ?
私は目を疑った。目が合っただけでなく、相手が私を見て目を見開いたのだ。しかし次に見た時、レンは何事もないようにパーティーに入る階段を下りた。
気のせいだったのだろうか。うん。気のせいに違いない。私と知り合いのわけじゃ有るまいし。会った事もないし━━こんなに綺麗な人すれ違ってたらいやでも印象に残るのだろう。忘れる訳がない。
だから、私は気にしない事にした。
周りの人々はまだレンを見ていた。
誰も私のことを気にしてない。みんなレンに目を奪われたようにレンに視線を外せずにいるようだった。
今ならこの人だらけの場所から抜け出せそうだ。
私はパーティーの端っこ━━バルコニーに出た。
他の仲間はどこに居るのだろう━━と考えていた訳ではなく、実はもう何となくだけど検討がついていた。
問題はどうやって怪しまれずに話しかけるかだ。