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伝説のスパイは溺愛から逃れたい  作者: 空雨 依里
1章

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出会い5

 っ……!?


 僅かな気配を感じて、バルコニーの入り口に視線を移した。

 ……足音もなければ、靴の擦れの音一つさえしない。


(強いっ……)


 とっても、訓練されているっ……。

 何者だろうか。只者じゃないことはわかるが、敵だったらどうしよう……。


 敵か、味方か。


 太腿に巻いてあったベルトから、ナイフをいつでも取り出せるように、手をそこへと無意識に触れる。


 誰かに見られたら大変だから、まだ取り出すことはしないけれど。

 攻撃を仕掛けられたらいつでも防衛できるようにしとく。


 そんなことを考えていると、気配の人物がバルコニーに入って来た。

 その顔を見て、ついびっくりしてしまう。


 ──それは思ってもなかった顔だったから。


「あ、いた」


 バルコニーに入って来た人物は声を発した。

 ──……そう『あの……』とパーティーで声をかけてきた令嬢だった。



「………」


 まさに、今探そうと思っていた人物が目の前に現れ、びっくりして、何も話せずにいると、令嬢は微笑みを浮かべて言った。


「大丈夫。敵ではないよ。()()ちゃん?」





「っ!?」


 思わず息を呑む。

 ━━何故っその名をっ……。


 思わず息を呑んだのも仕方なかった……澪里と言う本名はスパイの名前であり、令嬢には言っていなかったからだ。


 令嬢は私の驚きを肯定と認めたのか、


「どうやら、合っているようね。私は(りん)よ」


 と自分の名前を言った。


 令嬢……凛は、「MIIONSS(任務)」とスパイの暗号を言った。

 それによって私はようやく頭の整理が追いつく。


「+4¥tltuso’Peπrl&’%#π3*’’」


 私は、凛が言った「MIIONSS(任務)」に答える。



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