28、思わぬ再開
データがぶっ飛び何とか記憶の片隅に有った欠片をかき集めました。
「……」
「……」
「すみませんでした!」
そう、DOGEZAだ。
自分で言うのもなんだが完璧な土下座だったと思う。
速さ、姿勢、動き、どれをとっても一切の無駄もなくまさに最高傑作。
もしも俺が見てる側なら感嘆のため息をついただろう。
「……良いから、頭を上げて」
「だけどカコ、俺のせいで」
「大丈夫だって。そもそも新人がいきなりDランクに上がったらどのみち目立ってたから、だから目立った理由が違うだけで気にしてないよ」
おお、神よ(クソは除く)。これが聖人というものなのですね。
「そろそろ町を出る準備をしようよ。待ち合わせの人を待たせるのも悪いし」
「そうでございますね」
「何で敬語?」
つい使ってしまった。だが違和感はないな。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
ブリフィア
火山の近くに発展した温泉が有名な町。
獣人が多く住んでいることから別名「獣人の町」とも呼ばれている。
へぇー、温泉か。
俺はギルドでもらったガイドブックならぬガイド羊皮紙を眺めながら町を進んでいる。行儀が悪いって? 大丈夫だ、浮いてるからな。
「もうそろそろ着くよ」
っと、もうそんなに歩いたのか。きづかなかったな。
待ち合わせ場所は変わったオブジェの噴水らしい。
ちなみに形は剣の上に剣が乗りそのまた上に剣が乗っているらしい。
本当にどんなオブジェだよ。全く想像が付かねぇ。
そんなことを考えていると噴水が見えてきた。
て言うか、本当に剣の上に剣が乗ってるんだな。
さながら団子3○弟っぽいな。
そんなオブジェの前に二人の武装した人が見える。背中を向けていて顔は分からないがおそらくそうだろう。
「あの、すいません」
「何かしら?……ってあら、カコちゃん?」
「クーアさん、お久しぶりです」
クーア? 何処かで聞いた名前だな。
……そうだ、ゴーレムの討伐隊の一人だ。
「もしかして、殲光姫ってカコちゃんの事?」
「は、はい」
その節はすみませんでした。
「そうなんだ。あっ、念のため言っておくとわたしと彼が助っ人よ」
「よっ、久しぶりだな」
そう言ったのはあの時にもう一人いたおっさんだ。
「そうなんですか、よろしくお願いします」
「ええ、こちらこそ」
「よろしく」
聞こえてないだろうけどよろしく。
「じゃあ、改めて自己紹介しましょうか。私の名前はクーレフィリア、クーアって呼んで」
「俺の名前はクロードだ、よろしく」
「カコと言います。短い間ですがよろしくお願いします」
「ところで、もう出発の準備は終わってるの」
「いえ、ギルドから直接来たのでまだです」
「そう、それじゃあ明日またもう一度この場所に集まらない?」
「確かにそうだな、俺も買いたいものがあるし。どうするカコちゃん?」
「出来れば準備をする時間が欲しいです」
確かに、何が起きる(起こす)かわからないから色々と準備をするべきだな。
「そうね、それじゃあまた明日町を出るときにもう一度ここに集まりましょう」
「りょーかーい」
「分かりました」
さて、いよいよ明日だな。
実は温泉をちょっと楽しみにしてる。
俺は商店街に歩みを進めるカコの後ろに付いていった。




