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「くたばれ、クソ神様」  作者: 無脊椎動物
最初の町にて
22/117

20、普通のクエスト

最近、書留と予約投稿という言葉を覚えました。

そして、ブックマークが一人増えたこの喜びを誰かと分かち合いたい。

 村はずれの森

 村から少し離れたところにあるなんの変哲もない森。

 基本的には魔物は出ず、たまにゴブリンやコボルトが出る程度である。

 また田舎の村のさらに外れにあるということでそれなりに珍しい薬草が群生している。それでもやっぱり人は来ないが。



「いや~平和だな。」


 現在、俺達は森の中を歩いている。

 初めは危険な魔物が出てきて乱闘でも始まるのかと考え警戒しながら進んでいたが、今まで特に問題も無くもうすぐでゴブリンが出たというポイントに着く。

 ……今回は何も無いのか? いや、あいつのスタンスは上げて落とすだからな。最後まで気を抜かずにいこう。


「あっ、いた。」


 カコの指差した方を見ると思っていた通りのゴブリンがいた。

 子供ほどの身長に緑の体に尖った耳、何処からか拾ってきたのか何体かはぼろぼろの鎧や服をまとっている。その中に一体だけ棍棒ではなく錆びだらけの剣を持っている奴がいる、おそらくあいつが親玉だろう。


「じゃあ、リヒトは約束通りなにもしないでね。」


 そう言ってカコは飛び出した……はっきり言われると悲しくなるな。


「ギシャャャァァァア!」


 カコに気づいた親玉が声を上げる。すると二体が左右に分かれカコに飛びかかってくる。


「はぁ!」


 カコは後ろに飛び退くと同時に両手に炎の矢を生み出し二体に向かって撃つ。とっさの事に反応できなかった二体は声も上げることもできずに体を貫かれ絶命する。

 ……え? 詠唱はどうしたって?


 説明しよう! 今カコが使ったのは詠唱破棄という技術である!

 詠唱破棄とはその名の通り詠唱や魔法式を省略して魔法を使うというものだ。詠唱破棄は二種類あり、魔法式破棄詠唱と完全詠唱破棄に分けられる。ちなみにカコがさっき使ったのは完全詠唱破棄だ。

 ただし、デメリットもある。

 詠唱破棄を行った場合普段よりも多く魔力を消費してしまい、また魔法式を省略することにより魔法を補助する魔法式も使えないため威力も下がってしまう。

 そして一番のデメリットは、魔法の制御が難しくなるという点である。

 しかし、カコは今まで少ない魔力を補うため魔法の技術を磨いてきた。そのため、本人の才能と合わさってそこら辺の魔術師とは比べ物にならないほど技術が高い。

 また、魔力に関しても俺という魔力タンクのおかげで全く問題なくなった。つまり、


 技術 + 魔力 = 最強


 という図式が出来上がるのだ。するとどうなるかというと、


「それ!」


 カコは手から産み出した炎の玉を無数に撃つ。すると、まるで意思を持っているかのように飛んで行き、立て続けに三体倒した。

 ……なるほど、炎の玉を風魔法で操ったのか。たしか炎魔法と風魔法は相性が悪かったはずだが、これが天才と言うものか。

 そんな事を考えているうちに残ったのは親玉だけになった。

 最初の威勢はどこにいったのか、今すぐに逃げそうな顔をしている。


「ギ、ギシャ。」


 あ、逃げた。武器も投げ捨てて必死だ。


「逃がさない!」


 まあ、逃げられるわけないんだけどな。

 カコが放った風の刃はゴブリンの頭と胴体を切り離した。

 目を見開き何かを言おうと口をパクパクさせたが結局声を出すこと無く動かなくなった。


「ふぅ……」


「おつかれ、カコ。」


「詠唱破棄はぶっつけ本番だったけどうまく行ってよかった。」


 マジですか。天才ってこわっ。


「そういえば討伐したは良いがこの後はどうすればいいんだ? 討伐した証か何かを持って帰れば良いのか?」


「大丈夫、ギルドカードが勝手に記録してくれてるから。」


 ハイテクだな。

 さて、終わったしそろそろ帰ろ——っ!

 とっさにカコに向かって飛んできた矢を叩き落とす。

 それと同時にカコの周りにリヒト球を展開した。


「っ! 誰!?」


「へぇ、今のを防ぐのか。しかも一瞬で(ウィスプ)も召喚するとは。」


 そう言いながら、草むらから一人の男が出てきた。こいつは、こいつは!

 ……誰だっけ?

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