カミさんと理人の戦いの始まり
カミさんは、4年前に中途採用で颯人の会社にやって来た。
その頃社内には、颯人の右腕である理人の機嫌を伺うものが多かったが、理不尽な態度は目に余るものがあった。
「お前、何上から目線で言ってんの?」
「そう見えますか?私、人の鏡ってよく言われます。
あなたが上から目線だから、私がそう見えるのかも。」
毅然とした態度で、理人に言い放ったのが、カミさんであった。
エレベーター前での出来事である。
コーヒーを持った理人が、話しをしながら入って来た女性社員とぶつかって、コーヒーが溢れたことがきっかけらしい。
ぶつかった女性社員は、理人の服を汚したことで、震え上がっていた。
なぜ、関係のないカミさんが理人に暴言を吐いたのかはわからない。
たまたま、エレベーターに向かっていた颯人は笑い転げる。
「お前って、上から目線のやつなんだな。」
理人とカミさんの、戦いの始まりである。
そして、理人とカミさんの第2戦。
カミさんがシュレッダーをかけようとすると満杯でできなかった。
「クソッ」
と、シュレッダーの脇でシュレッダーを蹴り上げる真似。
「何してんの?」
通りかかった颯人がカミさんに問いかける。
「シュレッダーいっぱいなのに、そのままにしてる人がいるんですよ。いつも、私がゴミを捨てることになるから腹立って。」
「それは思いやりのないヤツがいるね。」
そう言いながら、颯人がシュレッダーのゴミをまとめ始める。
「代表、何してんですか?そんなのコイツにやらしとけば。」
理人が言う。
「じゃあ、お前やっとけ。」
理人は、颯人に逆らえないため、しぶしぶシュレッダーのゴミをまとめる。
カミさんは、ニンマリとした顔で、理人を見下ろす。
しばらくして、シュレッダーのゴミを交換した回数で表彰が行われた。
カミさんは一位ではなかった。
(いつも、私が捨ててるって言ってたのに。)
やはり、ムチャクチャな女でしかない。




