合わない相手だから、いい妻にはなれない
颯人は、最後のインタビューに応える。
カミさんに対する誹謗中傷について。
颯人は、元夫の暴露について、カミさんの良さを理解出来なかったうえ、自分を省みず、相手を責めるのは最低な行為。
幸せに出来なかった人間が言う事じゃない。
合わなかったから、離婚したし、カミさんもいい妻にはなれなかったし、その努力もできなかった。
オレにとってカミさんは最高の妻。
世の中の人が、そうそう出会うことのない運命の相手にオレは出会えた。
オレは、雑音に左右されない。
勝手な想像で、カミさんに敵意が向かうのはおかしい。
オレの幸せを邪魔するな。
カミさんは今、何をどう思っているのか。
颯人というスペックの高い男、人間としては、冷徹なところもあるが、カミさんにだけは違っていた。
運命の相手だからか。
世の中の人は、颯人を妻を大事にする男性という視点から入っているから、カミさんがバツイチというところに引っ掛かるのだろうが、カミさん以外が、颯人を変えることは出来なかった。
自分の方が、颯人のいい妻になれると勘違いして、中傷しているものも多くいるが、それはない。
カミさんの良さはわからないが、カミさん以外に、今の颯人の幸せを与えることは出来ない。
しかし、私も最初は、私の方が、と思ったものだ。
もし、颯人が事業に失敗し、多額の借金を抱えても、カミさんから妻の座を奪いたいと思う人間はいるだろうか。
私は、颯人のカリスマ性に惹かれ、颯人のセクレタリーとなった時は、颯人との結婚に期待した。
しかし、カミさんにかなわなかった。
私は、颯人を人間として尊敬しているが、颯人が全てを失っても、颯人のそばにいる覚悟はない。
私に、それなりの生活を捨てることはできない。
少なくともカミさんは、どんな状況に陥っても、颯人を見限ることはないだろう。
そして、カミさん以上に颯人をワクワクさせられる人間などいるわけがない。
颯人は、どん底に落ちることがあっても、カミさんがいれば、再び、立ち上がることは間違いない。




