颯人と理人と私
颯人、理人、私が幼稚舎から大学まで通った学校は、名家の子息が揃う。
旧財閥など、昔からの名家出身が揃う中、颯人の父は、成り上り、そういった学校の中で、歴史を持たない家の子供は、分不相応として扱われることが多い。
教師の扱いも違い、分不相応な子供は、進学を機に他校に転校する者も多かった。
その中で、颯人は自分を貫く。
成り上がった父を尊敬し、興味持つものを形にしていく。
親の後継者になるのではなく、自分で一から生み出す。
颯人は、子供の頃からオレ様だった。
次々と面白い遊びを考えては、みんなを率いて遊び、颯人の統率力に憧れる者も多かったが、自分の思いに応えられないものには、昔から容赦がなく、恐れられていた。
常に周りをワクワクさせるが、育ちの違いか、颯人の行動についていけず、残ったのは理人だけであった。
颯人を品がないと思う者もいたが、理人だけは離れなかった。
私は、財界のジュニアの集まるパーティで颯人と知り合った。
颯人の目的は、銀行の頭取である私の父とのコネクションを持つことであった。
私も理人同様、今まで出会うことのなかった颯人の行動力に惹かれ、大学時代にインターンとして颯人の会社に入り、そのまま颯人の秘書として働くようになった。
女性関係は来るものは拒まず、興味を持てば口説く、綺麗な女性は連れて歩くだけのもの、結婚に興味はなく、一生結婚しないものと思っていた。
カミさんは、颯人にとって、それまで会ったことのないタイプ、それ以外、颯人がカミさんに惹かれた理由がわからない。
カミさんは、美人でもなければ、秀でた能力があるわけでもない。
その上、悪態をつくことだけは、天下一品だ。
いつもの颯人なら、切り捨てる人間だ。
それがなぜ?
結婚して、子供が産まれ3年、未だ目が覚めないでいる。




