ワクワクする
「奥様は、どんな方なんですか?好きなところとか。」
「よくわかんないんだよね。
だから、興味が失せないのかな?
強いて言えば、カミさんといるオレが好き。」
意外だった。
恋ボケの颯人だから、カミさんの好きなところをアレコレ話し始めると思った。
理人の言う、
(どうしてこの女と結婚したのか)
と、目が覚める日が来るのだろうか。
「奥様といる自分が好きというのは、どういった?」
「カミさんといると、子供の頃みたいに、ワクワクすることがたくさんあるんだよね。
やりたいこともたくさん出てきて、起業する前のオレって、そんな感じだったわけ。
メディアの情報から、アイディアが次々浮かんで、それを形にして、今はそのひらめきをカミさんがくれる感じ。」
「具体的には?」
「スーパーで買い物するようになって、今までとは違うニーズを知ることができたし、例えば、カミさんがコンビニで働いてみたいって言うんだよ。
コンビニって、狭い中、いろんなもんが揃ってて、その上、チケットの購入や、配送、税金の支払い、なんでもできるわけじゃん?
それを流せるコンビニの店員がすごいっていう目線にも立ったことなくて、自分とは違うものの見方をしてるんだよね。
店員は、変な客も相手にしなきゃで、人間的にもすごいよね、
嫌な相手に愛想振り撒けるんだから、オレには出来ない仕事。
そう思うと店員さんにとって、気持ちのいい客になりたいって思うよね。
アンガーマネジメントみたく、ジェントルマネジメントとか、考え始めると面白いわけ。
スポーツクラブに行けばさ、男女で更衣室って別れてるじゃん?
カミさんと行ったら、待たされるわけよ。
子供がいる時は、どっちかが、子供の着替えもさせなきゃいけなくて大変だし、家族で使える更衣室があったらなとか、スーパーのレジも並んでる時に、決済手段を選択できれば時短できるなとか、次々アイディアが浮かんでくるんだよね。
そうやって、いろんなものに目を向けられるようになって、これから、年を重ねたらまた他のワクワクをオレに与えてくれる気がするんだよね。」
それは、育った環境の違い、生活環境の変化ではないか。
ワクワクがなくなったら、颯人のカミさんへの愛情は冷めるのだろうか。




