カミさんの意外な一面
「結婚して変わったことはありますか?」
インタビュアーは、質問の方向性を変えてきた。
「たくさんあるよ。
料理をするようになったし、1番は、車の運転かな。
スピード出さなくなったし、トロトロ走ってる車にイライラすることもなくなった。」
「それは、どうしてですか?」
「カミさんに初めて運転してもらった時、メチャクチャ遅くて、アクセル踏んでんのか足元見るくらいだったんだよ。
信号は黄色で止まるし、もう少しスピード出せばって言ったら、オレの命預かってるからって、それと、もう少しドライブ楽しみたいって。
それからかな。」
「お一人の時も、スピードは、出されないんですか?」
「そうだね。
カミさんは、信号のない横断歩道に人がいたら止まったり、横入りしたい車に道を譲ったりするんだよ。
そういう心の余裕って、いいなって思うんだよね。
オレは、何に対しても、事を急ぐところがあったんだけど、余裕の持てる人間になりたいって思ったかな。
車の運転は人間性が現れるから、まず運転から心がけてる。」
攻撃的なカミさんしか知らなかったが、意外な一面を知った。
「奥様、とてもお優しい方なんですね。」
インタビュアーが言う。
颯人はフッと笑顔をのぞかせる。
同意も否定もしなかった。
優しい?カミさんはサンドバッグゴリラが必要な人間である。




