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最初は他所で食べるからご飯は必要ないと報告をする為に宿屋に戻ろうとしていたが予定を変更して、そのまま宿屋の食堂でご飯を食べる事になったのは正解だったかもしれない。
まぁ、それもこれも宿屋の看板娘?のメイちゃんの『おかえりなさい、お疲れ様です。』と嬉しそうな笑顔でのお迎えに、予定を変更して良かったと思った。
まぁ、ご飯に関しても代金を、先払いしてるので追加で頼んだ分だけで済んだので、安上がりと言えば安上がりである。
「それじゃ、兄ちゃん、乾杯~!」
「乾杯。」
一応、おじさんの奢りと言う事で、追加分はおじさんが払ってくれている。
その為、僕の手出しはゼロである。
あと、おじさんはエールと言うビールみたいなのを飲んでいるが、僕は『ぶどうジュース』だ。
「これ、本当にぶどうジュースなんですか?
なんか、僕の知ってるぶどうジュースと味が違うんですが…。」
なんと言うか、酸味が強いぶどうジュースである。
「そうか?でも、俺は確かにぶどうジュースを頼んだぞ?」
「いえ、それは聞いてたから分かってますが…。」
まぁ、この世界の食べ物や飲み物って、元の世界と比べると、数段劣ってるから、その所為かもしれないが…。
それに、味の好みもあるかもしれない。
そもそも、この世界のぶどうジュースはワインの仕込み前の物って女将さんが言っていた。
つまり、タンニン?かなんかの関係で酸味が強いブドウを使っている…と、考えれば、味が違うのも仕方ない話なのかもしれない。
まぁ、飲み物に関しては、最悪、水でも構わないので問題はないだろう。
「しっかし、兄ちゃんの売る商品は、どれも珍しい商品ばかりだったな。
正直、見た事無い物ばかりで、驚いたよ。」
「そ、そうですか?僕の田舎では普通に売られてた物ばかりなんですけど…。
まぁ、アレですよ?辺境から来てますから、おじさんが知らないだけじゃないですか?」
流石に、異世界の物です…とは言えない。
そもそも、異世界人って事も秘密にしておかないと、問題が発生しそうだしね。
故に、ここは誤魔化しておくのが正解だろう。
「そう言う物かねぇ…まぁ、いいか。
それより、兄ちゃんは明日も店を出すのかい?」
「えぇ、そのつもりです。」
「そうかそうか、なら、また俺に商品を卸してくれないか?
今日の様子を見ると、まだまだ売れそうだからよ。」
「えぇ、それほど多くは出せませんけど…。」
いくら『魔法の鞄』と見せかけていても、あまりに多く取り出すと、怪しくなると言う物。
当面の目標は、目立たずひっそりと生きる…である。
その為には、他の人を上手く利用して稼ぐ必要があるのだ。
そうすれば、目立つのは他の人で、僕には関係のない話…と、上手く装う事が出来る筈だ…と僕は考えている。
まぁ、それでも荒稼ぎが続けば、直ぐに目立って、存在がバレてしまうので、そこら辺は注意する必要があるだろう。
†
次の日の朝、ザーザーと雑音で目が冷めた僕は愕然とした。
何の音だと思い、部屋の窓を開けたら、雨が降っていたのだ…しかも、土砂降りで…。
「マジかよ…こんな雨の中、露店なんてしたくないぞ…。」
それはそうだろう、そもそも僕が昨日開いた露店は、屋根も無ければ壁もない。
ただ単に床にレジャーシートを重ねて敷いた座っただけの、露店と呼ぶには烏滸がましいだったのだから。
つまり、今日も昨日と同じ事をすれば、頭からびしょ濡れになるだろうし、そんな店にお客さんが来る筈もなく、僕は風を引いてしまうのでないだろうか?
「よし、決めた…今日は辞めよう!」
昨日は天気も良かったから、よもや雨が降るのは予想外だったが、露店を開くは開かないかは個人の自由…。
その為、急遽、今日は露店を休みにする事に決めた。
まぁ、昨日は思ったよりもお金が稼げたので、〖レプリカ〗で傘を用意して商業ギルドにお金を預けた後、街を散策するのも良いかもしれないと思ったのだった…。
拙い作品ではありますが、気に入って頂けたら幸いです。
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