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 結論から言うと、百均よろしく、ワンコインで買える露店にしたのは成功だった。

 そもそもな話、元の世界でも百均は色々な物を扱っている為、何か買うつもりが無くても、見ていたら欲しくなってしまうのだ。

 そして、気が付いたら必要がなかった物まで買っていると言う、不可思議な現象が起こる。

 その不可思議な現象は、こちらの世界でも発現する様で…いったい誰が買うんだ?と思う様な物まで売れたのには驚いた。

 まぁ、それに関しては、そんな物を置くなや!と怒られそうなので言わないでおく。


「兄ちゃん、繁盛してたな、羨ましいぜ。」

「いや~、それにしてもアレ(・・)が一番売れるとは驚きだったな…。」


 お昼と言う事もあるだろうが、人が疎(まば)らとなった事で、やっと一息付く事が出来た。

 その為、僕もお昼にする事にしたのだが、それを見ていた隣のおじさんが、労(ねぎら)いの言葉を掛けてきたのだ。


「いやいやいや、俺も驚いたが、あんなの今まで無かったからなー、そりゃ売れるに決まってるだろ。」

「そ、そうなんですね…僕の住んでた所では、当たり前の物だったので…。」

「へー、でもよ?こう言っちゃーなんだが、さっきのアレ(・・)は、こんな場所で売るんじゃなく、お貴族様のお屋敷に売りに行った方が良かったんじゃねーか?

 そうすりゃ、お貴族様が高く買ってくれたんじゃねーか?」

「あ~、確かに、そうかもしれませんね…。」


 と、僕はさっきまで売っていたアレ(・・)の事を思い出した。


†


「いらっしゃいませ~、いらっしゃいませ~。」


 結局、露店で売る商品を何にするか決めかねていたのだが、隣のおじさんと雑談をしながら何が売れるか模索(もさく)した結果、百均擬きをする事に決めた。

 まぁ、そこまでは良かったのだが、なかなかお客さんが来ない。

 とは言っっても、ここは表通り(メインストリート)ではなく裏通りだし、まだ早い時間ではないのだから仕方がない。

 だが、非常事態と言う物は、いつも突然やってくる。


『ギュルルルル~!』


 僕のお腹から、鳴ってはいけない音がする。

 そして、それを主張するかの如く、腹痛までも…幸い、この街には公共のトイレが設置されているので、最悪の事態は免れるのだが、問題は、露店には僕一人しかいない。

 その為、そのまま僕が席を外すと、商品を放置していく事になる。

 つまり、露店が無防備となってしまう事に、この時、初めて気が付いた。


 だが、そんな非常事態であっても、他人とは関わらない主義な元の世界と違い、こちらの世界では助けてくれる人がいる。

 今回、それが隣のおじさんだった。


「どうした、兄ちゃん?お腹が痛いのか?

 良ければ俺が店見といてやるから、トイレに行ってきたらどうだ?」

「い、良いんですか?」

「おうよ!それっくらいどうって事無いぜ!

 それによ?ここで漏らされたら、こっちの商売まで干上がっちまうって話なだけだ。」


 と、おじさんはゲラゲラ笑い出す。

 言ってる事は正しい事なのだが、すごくイラッとするのは何でだろう?

 だが、それでも非常事態なだけに、ありがたい申し出だ。


「す、すいません、直ぐに戻りますので、お願いします!」


 僕はそれだけ言うと、多少、不安があるがおじさんに露店を任せ、トイレに駆け込む。


「ふぅ~、間に合った…。」


 もう少しで大惨事になるところだったが、無事に非常事態を回避した僕は、トイレから出た所である事に気が付いた。


「ん?待てよ…これ、売れるんじゃね?」


 宿屋の共用トイレでも思ったのだが、この世界のトイレには、非常に硬い紙が用意されている。

 最初、何に使うのか?と思ったが、幸い、知識として知っていた事もあり、直ぐに理解した。

 その為、クシャクシャと揉む様にして柔らかくして使ってみたのだが、それでもお尻が痛かったのだ。

 その為、僕は〖レプリカ(スキル)〗を使い、トイレットペーパーを作り出し、お尻を拭いた。


 それからは、トイレットペーパーを作り出し拭くようにしていたが、これなら、他の人も満足するのではないだろうか?


 そう思った僕は、急いで露店へと戻る。

 なお、手を洗う為の洗面所がなかったので、水のペットボトルを作り出して手を洗った。

 改めて、任意で作り出した物を出したり消したり出来るのは非常に便利だと思った。


†


「それもこれも、おじさんが相談に乗ってくれたお陰ですよ。」

「そうかい?そう言ってくれると俺も嬉しいぜ。

 でもよ、良かったのかい?コレだって売り物なんだろ?」

「えぇ、ですが、右も左も分からない僕に、色々と助言してくれてますから…お礼としてはアレですが、遠慮なく貰ってください。」

「そうか?なら遠慮なくいただくぜ?」

「えぇ、どうぞどうぞ。」


 トイレから戻った僕は、さっそく隣のおじさんに相談した。

 すると、おじさんは『こんな物があったのかッ!?』と驚き、絶対売れると太鼓判を押してくれた。

 なんと言うか…おじさん、太鼓判押しまくりだな。


 それはともかく、おじさんの太鼓判を信じて、商品に追加した『トイレットペーパー』は、その柔らかさと珍しさもあってか、予想を超えて売れに売れまくった。

 もちろん、注意事項として、非常に水に弱く破れやすい事も説明している。

 それを説明しておかないと、お尻を拭く時に穴が空き悲惨な事になるからだ。


 何はともあれ、午前中?だけで、今日の目標である銀貨三十枚を大きく超えて、銀貨五十枚以上を売り上げてしまったのだ。

 しかも、ハズレスキルと呼ばれていた〖レプリカ〗で用意した物だから、元手はタダな為、全てが利益となっている。

 やはり、その有用性を考えると〖レプリカ〗はハズレスキルなんかじゃなくチートスキルなのではないだろうか?


 …もしかしたら、〖レプリカ〗には僕が知らないだけで、まだまだ秘められているのかもしれない。

 それを確かめる為には、やはり、スキルランクを上げるしかないのかな…。

 と、スキルランク『E』から『D』に上がった、チートスキルな〖レプリカ〗のスキルを見ながら、そう思ったのだった…。

拙い作品ではありますが、気に入って頂けたら幸いです。

また、感想や誤字報告等ありましたら、励みになります。

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