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「とりあえず、場所の確保はコレで良いかな…。」
スキル〖レプリカ〗を使い、レジャーシート作り出したまでは良いが、スキルレベルが低い所為で百均で売ってるレジャーシートの劣化版しか作る事しか出来なかった。
その為、一枚では色々と問題が発生したのだが、そこはそれ、ハズレスキルと呼ばれた〖レプリカ〗の腕の見せ所で、数枚重ねる事で、それらに対応させた。
必要な物を、必要な時に、必要な数だけ揃える事が出来るなんて、どう考えても、チートとしか思えないのだが…ハズレスキルなんて言い出したヤツの正気を疑いたい。
とは言え、スキルの発動条件が分からず、更には劣化品と言うのであれば、ハズレスキルと呼ばれても仕方がないのか…と、考える自分もいる。
大事なのは、スキルをどう使うか…が重要なのだろう。
何はともあれ、商売をするには、当然ながら商品が必要になる。
「う~ん…何を売るのが良いんだろう…。」
さて、何を売ろうか…と考えてみたが、何も思い付かない。
ぶっちゃけ、商人になったのも、成り行き的な所もあり、何かをしたくて商人になった訳では無いのだ。
その為、一番肝心の何か…が抜けていたのだった。
「ダメだ…とりあえず、コーヒーを飲みながら考えるかな…。」
とは言っても、ここは野外だし、何より周囲を軽く見渡しても電気も無ければ水や火すらない。
「となると、ココはやっぱり、アレかな…。」
スキル〖レプリカ〗頼みになるが、こう言う時は、キャンプグッズが役に立つ。
元々、何もない野外で使う事を想定して作られている物の為、こう言う時こそ真価を発揮する。
なお、今回作り出したのは、キャンプグッズの中でもお気に入りの一品で、レギュレーターストーブと呼ばれる物で、ガス缶を繋ぎコックを緩めるとガスが出てくる。
そのガスに着火する事で、コンロとして使う事が出来る道具である。
ちなみに、伏せ字になっていないかもしれないが、S◯T◯のレギュレーターストーブがモデルなのは内緒である。
そして、直火が可能なコーヒーポットを用意してペットボトルの水を適量入れると、そのまま火に掛け、お湯が湧くまでの間に次を用意する。
次に用意するのは、もちろんコーヒーを入れる為の道具である。
とは言っても、こちらも百均で売られてるヤツを用意する。
フィルターをセットしコーヒー豆も入れる。
コーヒー豆は、スーパーなどで売られてる既に粉になっているヤツである。
正直、インスタントコーヒーでも良かったのだが、今の気分はハンドドリップのコーヒーだったので手間が掛かる。
まぁ、その分、匂いなどは比較にならないので良しとしよう。
そうこうする内に、お湯がコポコポと音を立てて沸く。
危うくコーヒーポットを素手で触りそうになったが、幸い、触る前に気が付く。
鍋つかみを用意すると、こぼさない様に注意しながら三回に分けてお湯を注いだ。
『ポタ、ポタ、ポタ…。』
少し大きめのコップの中には氷が入っており、その上から抽出されたコーヒーが溜まっていく。
うん、思ったより良い匂いだ。
まぁ、普段飲んでたコーヒーよりも不味いのは理解してるが、それでも期待してしまうのは悪い癖なのだろう。
暫くした後、コーヒーの抽出が完了する。
よくかき混ぜた後、別に用意してあったコップに氷を追加したら、コーヒーを注ぐと、アイスコーヒーの完成である。
『ゴクッ…。』
味はどうだ?不安を胸に、一口飲んでみる。
アレ?思ったよりいけるんじゃね?さらに、『ゴクッゴクッ』と飲む。
確かに、品質が悪いため、雑味やらは当然あるが、それでも全然問題なく飲めるレベルだ。
それに、フィルターが良い仕事をしているのか、コーヒーの粉がコップの中に入ってないのがありがたい。
そして、僕が気分転換にした、この行動が思わぬ効果をもたらす事となる。
「兄ちゃん、何か良い匂いがするが、それは何だ?」
なんと、露店をしていたお隣さんが声を掛けてきたのである。
「え?それて…コーヒーの事ですか?」
「ほぅ…初めて見る飲み物だがコーヒーって言うのか、美味しいのか?」
「まぁまぁ…かな?よければ試しに飲んでみますか?」
あとでまた飲もうと考えていたので、実は二杯分のコーヒーを抽出していたのである。
故に、飲ませる事は可能だ。
「…良いのかい?それ高いんじゃないのか?」
「まぁ、高いと言えば高いかもですが、別に構いませんよ?」
どうせ、元手は無料だし…と、心の中で付け加える。
「それなら、一杯貰えるかい?」
「えぇ。」
「ちょっと待っててくれ、直ぐにコップを持ってくるから!」
「あ、コップは…って、行っちゃった…。」
ガラス製のコップ以外にも、プラスチック製のコップや紙コップも直ぐに作れるのだから、取りに行かなくても…と思ったが、まぁ、お隣だから時間は掛からないだろう。
案の定、すぐお隣さんは直ぐに戻ってきた。
「ちと汚いかもだが、コレに頼む。」
そう言って、指す出して来たのは木で出来たコップだった。
まぁ、コップと言うよりはジョッキと呼ぶのが相応しい大きさで、それなりに容量がある。
少なくとも、いくらアイスコーヒーとは言えど、アイスコーヒーを飲むコップではない事だけは確かである。
とは言え、試飲させると言った手前、今更、やっぱり無しと言うわけにはいかない。
「そうだ…コーヒーは初めてなんですよね?」
「あぁ、それがどうした?」
「いえ、初めてだと、かなり苦く感じるかと…なので、もし苦かった場合は言ってくださいね。」
そう言うと、僕はお隣さんの持ってきた木製のジョッキに、氷とコーヒーを注ぐのだった…。
拙い作品ではありますが、気に入って頂けたら幸いです。
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