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次の日の朝早く、僕は再び商業ギルドへと足を運んでいた。
と言うのも、商業ギルドに登録した事で、物を売ったり露店を開く事は許可された訳だが、露店をする為の場所を確保しなければ店を出せないのだ。
まぁ、何処かの店に、直接、売り込みに行く事も可能にな訳だが、コネも何もない人間がいきなり契約に行ったとしても、常識のある人であれば、何処の馬の骨かも分からない人と契約する人は、まずいない。
故に、露店を開き、直接、興味ある人に適正価格で買って貰う以外に、現時点では、お金を稼ぐ手段がないのである。
例外として、最初の資金を得る為にした、商業ギルドとの直接取引もあるのだが、こちらの素性がバレる恐れもあるので、極力、回避したい案件である。
「ってな訳で、何処か適当な場所はありませんか?」
「そうですね…正直、適当な場所と言われましても、それらの場所は既に他の人達が確保してまして…。」
僕の問い合わせに、ウサミさんが困った顔をして返事をしてくれる。
「ですよね…。」
まぁ、街を歩いても分かる様に、賑わっている所には、所狭しと露店が開かれている。
ぶっちゃけ、市場と言った方が良いのでは?と思えるほどの賑わいである。
そして、そんな好条件な場所は、以前より商売している人達が占領しているのである。
「あとは…立地条件としては微妙ではありますが、こちらの場所でしたら、それなりに売上が見込めるかもしれません。」
そう言ってウサミさんが紹介してくれたのは、メインストリートである大通りから少し離れた所にある広場だった。
なお、ウサミさんの立地条件が微妙と言うのは、その場所が大通りから少し外れている事で、人の流れが疎らなだけではなく、人目に付き難い場所があり、その為、治安が悪いと言う意味も含まれている。
つまり、戦闘力が皆無な僕にとっては、危険度は大通りと比べたら、やや高めだと言う事を意味するのだった…。
「わ、分かりました…そちらでお願いします。」
数分後、悩みに悩んだ結果、僕が出した答えは、露店を出す為の場所を借りる事だった。
確かに、大通りに比べたら危険ではあるが、それを言い出したら、宿屋の食堂だって同じだ。
あの時、強面のお兄さんが助けてくれなければ、最悪、怪我をしていたと思う。
捨てる神あれば拾う神あり…ではないが、何かあれば助けてくれる人も居るだろう…と、楽観的な考えもあったりする。
何より、僕の扱う商品は〖レプリカ〗により作り出された物で、任意で消す事が出来る。
つまり、稼いだお金を奪われる、僕が怪我をする…この二つさえ守られれば、商品を取られる程度であれば、実質的な被害は無いに等しい。
ならば、それさえ気を付ければ、問題がないのではないだろうか?
そして出した答えが、先程も言ったが、場所を借りる事。
まぁ、地道にお金を稼がないと生活が出来ないから…と言うのもある。
残念ながら、お金は有限なのだ。
なお、商業ギルドで『胡椒』…ブラックペッパーを売るのは最終手段である。
五百円もしない物が、金貨一枚(約十万)以上で売れたのだが、それほど高価な物を何個も持っているのがしれたら、色々な人に狙われるの必然。
前回売ったのは、緊急事態だったから…と自分に言い聞かせる。
なにより、いくら名前を変えたからと言っても、目立ってしまっては意味がない。
正体がバレる=暗殺対象…と、なりかねないのだから、自重し、目立つのは禁止なのだ。
「分かりました、では、こちらの場所で手続きをしたいと思います。
ちなみに、何日間のご予定ですか?」
「あ~…すいません、決めてないです。」
何せ、今までの行動は、全て行き当たりばったりで行動しているので、そもそも予定と言うのを組んでいない。
その為、何日かと言われて、初めて問題に気が付いたのだった…。
「ちなみに、一日いくらなんですか?」
「一日、銀貨一枚です。」
「そうなんですね…では、とりあえず三日で…。」
「三日ですね?では銀貨三枚になりますが、よろしいですか?
ちなみに、一週間契約にされますと、銀貨五枚で借りられますので少しお得ですよ?」
う~ん、どうしよう…確かに、お金があまりない今の状況では、銀貨二枚分安く借りれるのは魅力的だ。
とは言え、一週間か…ある程度の路銀を稼いだら、いつ追手が掛かっても良い様に、他の街へ逃げようとしていたので、最悪の場合、お金が無駄になってしまう。
そして、出した結論は…。
「分かりました…では、一週間でお願いします。」
「はい、畏まりました。
では、銀貨五枚をお願いします。」
「では、こちらから…。」
僕はそう言うと、銀貨を五枚、袋から取り出してウサミさんに渡す。
「では、こちら露店を開く場所の許可証となります。
なお、先程説明した通り、こちらの許可証は本日から有効となりますので、有効期間を間違えない様に注意してくださいね。」
「はい、ありがとうございます。」
僕はお礼を言いながら、それらを袋へ入れると席を立つ。
「では、僕はこれで失礼します…。」
露店を開く場所の確保は無事に完了した。
あとは何が売れるか手探りになるが、〖レプリカ〗を使って商売するので、特に準備らしい準備をする必要が無いのは、商売する上で強みと言えよう。
さて、頑張ってみますか!
そう決意をして露店を開く場所へ行こうとしたのだが…。
「あの、ちょっと待ってください!」
と、僕を引き止める声がしたのだった…。
拙い作品ではありますが、気に入って頂けたら幸いです。
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