↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/49

9

 次の日の朝早く、僕は再び商業ギルドへと足を運んでいた。

 と言うのも、商業ギルドに登録した事で、物を売ったり露店を開く事は許可された訳だが、露店をする為の場所(スペース)を確保しなければ店を出せないのだ。

 まぁ、何処かの店に、直接、売り込みに行く事も可能にな訳だが、コネも何もない人間がいきなり契約に行ったとしても、常識のある人であれば、何処の馬の骨かも分からない人と契約する人は、まずいない。


 故に、露店を開き、直接、興味ある人に適正価格で買って貰う以外に、現時点では、お金を稼ぐ手段がないのである。

 例外として、最初の資金を得る為にした、商業ギルドとの直接取引もあるのだが、こちらの素性がバレる恐れもあるので、極力、回避したい案件である。


「ってな訳で、何処か適当な場所はありませんか?」

「そうですね…正直、適当な場所と言われましても、それらの場所は既に他の人達が確保してまして…。」


 僕の問い合わせに、ウサミさんが困った顔をして返事をしてくれる。


「ですよね…。」


 まぁ、街を歩いても分かる様に、賑わっている所には、所狭しと露店が開かれている。

 ぶっちゃけ、市場と言った方が良いのでは?と思えるほどの賑わいである。

 そして、そんな好条件な場所は、以前より商売している人達が占領しているのである。


「あとは…立地条件としては微妙ではありますが、こちらの場所でしたら、それなりに売上が見込めるかもしれません。」


 そう言ってウサミさんが紹介してくれたのは、メインストリートである大通りから少し離れた所にある広場だった。

 なお、ウサミさんの立地条件が微妙と言うのは、その場所が大通りから少し外れている事で、人の流れが疎(まば)らなだけではなく、人目に付き難い場所があり、その為、治安が悪いと言う意味も含まれている。

 つまり、戦闘力が皆無な僕にとっては、危険度は大通りと比べたら、やや高めだと言う事を意味するのだった…。


「わ、分かりました…そちらでお願いします。」


 数分後、悩みに悩んだ結果、僕が出した答えは、露店を出す為の場所(スペース)を借りる事だった。

 確かに、大通りに比べたら危険ではあるが、それを言い出したら、宿屋の食堂だって同じだ。

 あの時、強面のお兄さん(シールさん)が助けてくれなければ、最悪、怪我をしていたと思う。


 捨てる神あれば拾う神あり…ではないが、何かあれば助けてくれる人も居るだろう…と、楽観的な考えもあったりする。

 何より、僕の扱う商品は〖レプリカ〗により作り出された物で、任意で消す事が出来る。

 つまり、稼いだお金を奪われる、僕が怪我をする…この二つさえ守られれば、商品を取られる程度であれば、実質的な被害は無いに等しい。

 ならば、それさえ気を付ければ、問題がないのではないだろうか?


 そして出した答えが、先程も言ったが、場所を借りる事。

 まぁ、地道にお金を稼がないと生活が出来ないから…と言うのもある。

 残念ながら、お金は有限なのだ。


 なお、商業ギルドで『胡椒』…ブラックペッパーを売るのは最終手段である。

 五百円もしない物が、金貨一枚(約十万)以上で売れたのだが、それほど高価な物を何個も持っているのがしれたら、色々な人に狙われるの必然。

 前回売ったのは、緊急事態だったから…と自分に言い聞かせる。

 なにより、いくら名前を変えたからと言っても、目立ってしまっては意味がない。

 正体がバレる=暗殺対象…と、なりかねないのだから、自重し、目立つのは禁止なのだ。


「分かりました、では、こちらの場所で手続きをしたいと思います。

 ちなみに、何日間のご予定ですか?」

「あ~…すいません、決めてないです。」


 何せ、今までの行動は、全て行き当たりばったりで行動しているので、そもそも予定と言うのを組んでいない。

 その為、何日かと言われて、初めて問題に気が付いたのだった…。


「ちなみに、一日いくらなんですか?」

「一日、銀貨一枚です。」

「そうなんですね…では、とりあえず三日で…。」

「三日ですね?では銀貨三枚になりますが、よろしいですか?

 ちなみに、一週間(七日)契約にされますと、銀貨五枚で借りられますので少しお得ですよ?」


 う~ん、どうしよう…確かに、お金があまりない今の状況では、銀貨二枚分安く借りれるのは魅力的だ。

 とは言え、一週間か…ある程度の路銀を稼いだら、いつ追手が掛かっても良い様に、他の街へ逃げ(移動し)ようとしていたので、最悪の場合、お金が無駄になってしまう。


 そして、出した結論は…。


「分かりました…では、一週間でお願いします。」

「はい、畏(かしこ)まりました。

 では、銀貨五枚をお願いします。」

「では、こちらから…。」


 僕はそう言うと、銀貨を五枚、袋から取り出してウサミさんに渡す。


「では、こちら露店を開く場所の許可証となります。

 なお、先程説明した通り、こちらの許可証は本日から有効となりますので、有効期間を間違えない様に注意してくださいね。」

「はい、ありがとうございます。」


 僕はお礼を言いながら、それらを袋へ入れると席を立つ。


「では、僕はこれで失礼します…。」


 露店を開く場所の確保は無事に完了した。

 あとは何が売れるか手探(てさぐ)りになるが、〖レプリカ〗を使って商売するので、特に準備らしい準備をする必要が無いのは、商売する上で強みと言えよう。 


 さて、頑張ってみますか!

 そう決意をして露店を開く場所へ行こうとしたのだが…。


「あの、ちょっと待ってください!」


 と、僕を引き止める声がしたのだった…。

拙い作品ではありますが、気に入って頂けたら幸いです。

また、感想や誤字報告等ありましたら、励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。