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不思議な家  作者: 猫野沙子


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77話 好み、78話 幸せ

新人と先輩の話。

77.好み


 彼女と別れた。


 彼女とは友達を介して知り合った。一目見た時から好きになった。めっちゃ可愛くて、完璧に自分のタイプだった。


 話してみると明るくて、少し子供っぽくて、ちょっと我がままで。そういうところも魅力的で、自分から告白して付き合った。


 顔が3つある犬の話をしたのは、彼女の驚く顔や好奇心に輝く顔が見たかったからだった。それが失敗だった。


 犬を見に行った彼女は、何故か犬を飼っている家じゃなくて、その近くの森で迷子になってた。


 仕事中に無理をして助けに行ったのに、お礼を言う前に「犬見たい」って言われて、自分の中の、彼女に対する想いの何かが決定的に壊れた。


 こんなに好みの外見の子なんて、この先現れないかもしれないのに。犬の話なんてしなきゃよかった。




78.幸せ


 3つの顔がそれぞれ美味しそうにジャーキーを食べてる。俺のお土産だ。隣には付き合い始めた変な家の女性の妹がいる。そう、俺にもとうとう春が訪れたのだ。


 今日は、変な家の女性が1週間ほど出張するというので、実家の留守番に来ている彼女とおうちデートと言うやつだ。


「君のお姉さんがキャリアウーマンだって初めて知ったよ」

「普段はふわふわしてるからね」

彼女は笑って、犬の頭をそれぞれ撫でてやった。犬は尻尾をちぎれるくらい振って喜んでいる。


 縁側から家に入る彼女を見ながら、俺はセキセイインコを構いに行った。


読んでくださり、ありがとうございます。

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