71話 漏洩、72話 防犯
2話ともちょっと怪談よりです。
71.漏洩
彼女にうっかり、顧客情報を流してしまった。
でも、顔が3つある犬を見たら誰だって誰かに話したくなるんじゃないだろうか?
「見に行くなよ?情報漏らしたって会社にばれたらまずいから」
と言うと、彼女は素直にうなずいた。けれど、好奇心に輝いた眼を見たら、きっと犬を見に行くんだろうと確信した。
数日して、彼女から電話が入ったけれど就業中でしばらく出られなかった。休憩時間になって、電話をかけると、涙声に驚いた。
「迷子になっちゃったの」
「ええ?」
「……犬、見たくて」
「あの辺、迷うような場所じゃないけどな?」
「ここ、どこなの?」
「周囲に何がある?」
「霧。霧で何も見えないの!!」
「位置情報を共有しよう」
彼女の位置情報を見ると、あの家の近くだ。休憩を早めに切り上げて、そのあたりに行ったけど、彼女の姿が見えない。位置情報を確認すると近い場所にいるはずなのに。
「どうかしたんですか?」
突然話しかけられて、驚いて振り返ると、利発そうな小学生くらいの女の子だった。
「このあたりで、こんな感じの女の人見かけなかった?」
「もしかして、あそこかな?」
女の子が指さす先には、こんもりした森があった。
「あの神社の神様はいたずら好きで人を迷わせるから、鎮守の森にはひとりで行かないようにって言われてるの」
半信半疑で小学生と一緒に鎮守の森を探すと、彼女は居た。
72.防犯
最近、家の周りを知らない人がうろうろすることが増えた。友人に相談すると、
「とりあえず、交番に行って、パトロール増やしてもらえないか相談しましょう」
と言うので、近所の交番へ友人と行った。
交番で事情をはなすと、「パトロール増やしますよ。何かあったら遠慮なく言ってくださいね」と親切に対応してもらったので、少し安心できた。
うちのペットたちにも、一応注意した。
「知らない人がうろうろしているの。気を付けてね」
新聞を見ると、このあたりで行方不明者が増えているという記事があった。私はとても怖くなって、防犯カメラをつけたり、窓にフィルムを張ったりした。結構な出費だったけれど、安全には変えられない。
数か月ほどすると、知らない人たちがうろつくのも無くなって、ちょっとほっとした。行方不明者はまだ見つからないらしい。
読んでくださり、ありがとうございます。




