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不思議な家  作者: 猫野沙子


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67話 新人、68話 苦情

新人君、変な家に配達に行く。

67.新人


 慣れない宅配の仕事に少し慣れ始めてきたころ、先輩から配達エリアを引き継いだ。


 唯一、変な説明を受けた家にとうとう宅配に行くことになった。ちょっと緊張しながら玄関ポーチに向かう途中、


「ひえっ?!い、犬ぅ?!!」


 3つの顔がある黒くてでかい犬が庭にいた。先輩の引継ぎ事項にはなかった。荷物を落としそうになったけれど、何とか持ちこたえる。


 犬は、行儀よくお座りすると3つの顔が全部こちらを見てきた。めっちゃ怖い。震える足で玄関ポーチにたどり着くと、これまたでかいセキセイインコがいた。


「……こ、こんにちは」

先輩に言われた通り、挨拶をした。

「コンニチハ」

セキセイインコは首を曲げてこちらをじっと観察するように見てきた。居心地が悪い。チャイムを鳴らすと、住人が出てきた。


「こんにちは。お荷物です」

「ありがとうございます。いつもの方は?」

「エリアが変更になりまして。今度から私が担当です」

「コロブ、コロブ」

「よろしくお願いします」


 セキセイインコが何か言った気がしたけど、気にしない事にした。


 車に戻る途中、急に立ち上がった犬に驚いて、思い切り転んだ。




68.苦情


 ちょうど新人と同じ時間に会社に帰ってきた。膝が汚れていたので、

「転んだのか?」

と声を掛けると、新人はこちらに恨みがましい視線を向けてきた。


「あの家に顔が3つある犬がいるって聞いてなかったんですけど?!」


 俺はポンと手を叩いた。


「悪い悪い。すっかり忘れてた。顔が3つあるだけで、いい犬なんだよ。無駄にほえないし、じゃれついても来ないし」

「顔3つある時点でヤバいですから」


新人はそう言ってプリプリ怒りながら退社していった。



読んでくださり、ありがとうございます。

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