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不思議な家  作者: 猫野沙子


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57話 うっかり、58話 プレゼント2

57.うっかり


 兵隊たちは、もう日課となったジオラマでの訓練をおこなっている。その傍らに、サボテンがいた。サボテンも乗りたいようだが、乗ってしまったら壊してしまうのが分かっているのか、見ているだけだ。


 ふと思いついて、私はジオラマと同じ高さになるような木の箱を作った。そこへ多肉植物用の培養土と普通の培養土を半分ずつ入れた。それから、庭にあった手のひらほどの石で良さそうなのを洗って、いくつか配置してあげた。


「兵隊たちのジオラマほどじゃないけど、どうぞ」


 サボテンはラディッシュを起こしてくると、一緒にジオラマ風プランターに喜んで乗った。兵隊の一部もジオラマ風プランターに来て、サボテンとラディッシュと訓練をしていた。


 私は満足したけれど、また縁側が狭くなったことに後で気づいた。


 しばらく後、宅配のお兄さんが棚を作ってくれた。一番下にジオラマ風プランターを置いて、その上の段に子供たちの、一番上に宅配のお兄さんが作ったジオラマを置いた。兵隊用に小さな梯子やロープが設置されていて、それぞれのジオラマに行き来できるようにしてあった。


 兵隊たちは喜んでピョンピョンとジャンプをしていた。かわいかった。




58.プレゼント2


 姉が勤めているケーキ屋に行くと、ばったり変な家の妹さんに会った。

「こんにちは。姉がいつもお世話になってます」

とほほ笑んだ顔は姉である変な家の女性にそっくりだ。


 妹さんは買い物を終えた後で、ケーキ屋の袋を持っていた。

「あ、そうだ。まだいますよね?ケーキ買ってないし」

「ええ」

少し待っててと言って、妹さんは一度店を出ると、スケッチブックをもって戻ってきて、俺に差しだした。

「描いたの」

「え?」

「見て」

スケッチブックをめくっていき、手を止めると俺に向かってスケッチブックを見せた。


 青く美しいベタが描かれている。彼女の絵は幻想的な雰囲気が特徴なのだが、ベタは写実的だ。それでも、ベタ本来の美しさがどこか幻想的だった。


「とてもきれいですね」

「あなたが姉にプレゼントしたベタよ。あげるから、飾って」


 そう言って、俺に絵をプレゼントして妹さんは帰っていった。


 絵は、俺の姉に取り上げられた。ひどい。



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