39話 ハンドメイド、40話 小石
ほのぼの
39.ハンドメイド
妻が何やら針金で作っている。傍らに開かれたままの本を見て、俺は、
「あっ」
と言った。見覚えのある蝶々が、さらに洗練されて載っていた。
「どうしたの?」
「ほら、俺の実家へ行った時に、俺の幼馴染にあっただろう?あの幼馴染のお姉さんの蝶だ」
と、本を指さした。
「まだ作ってるんだな。懐かしい」
「この人って、ハンドメイド作家?」
「いや。蝶々の研究者」
「研究者なのに、ハンドメイド上手ね」
「少し違う。この蝶々が先。本物そっくりに作りたくて、蝶々を観察しているうちに研究者の方へ行ったんだ」
「久しぶりだな。俺も作るよ」
妻が意外そうな顔をした。だけど、俺は子供の頃、何故か幼馴染と一緒にさんざん作らされた記憶がある。
なかなか感覚が思い出せなくて苦労したけれど、俺が作ったのは妻より上手だった。だが、妻の機嫌を悪くしたのは、少し失敗だった。
40.小石
ご近所さんから、きれいな小石をたくさん頂いた。知り合いの石屋の人が譲ってくれたのだそうだ。
さっそく、小石を洗って金魚の水槽に入れてあげた。
ヒレをなびかせながら泳ぐ金魚をしばらく眺めた。水に入った小石は、色が鮮やかに見えて、金魚と共演している。
数日したら、リビングに金魚の絵が飾ってあった。ラフ画に淡く着色してある。きっと、妹だ。私は微笑んで、妹にお礼の電話をした。
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