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不思議な家  作者: 猫野沙子


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31話 納戸、32話 役割

雨の日の一日、日常の一コマ

31.納戸


 休日の雨は少し憂鬱だけれど、私は家の中の掃除と片づけをすることにした。


 この家には古いものが多い。でも、今でも現役のものがほとんどだ。友人からは「おばあちゃんの家に来たみたい」と言われている。


「そういえば、この納戸って何が仕舞ってあるんだろう?」


両親が生きていたころからほぼ開けた事のない納戸の前に立った。どうせ出かけられないならと、思い切って納戸の扉を開けた。


 納戸の中は薄暗く、棚にはたくさんの箱。開けてみると、漆器や茶碗なんかが入っていた。祖母の時代、慶弔の時は近所の人が集まって飲み食いすることが多かったせいだろう。


「そういえば、今ってレトロブームだったわね」


 さっそく、座敷にせっせと箱を運び入れて、埃を拭って蓋を開けた。


 蒔絵がきれいなお皿はヒラヒラと舞って見せて、箱にまた収まった。他の子たちも、私に何かアピールしているのか、踊るように動いて、また箱に入ってしまった。


「元に戻ってくれたら、うちにいていいわよ」


ちょっと意地悪して言ってみたら、みんな納戸に収まった。いい子。




32.役割


 最近、料理をし終わって盛り付けようと思うと、いつの間にかちょうどよいサイズの器が出ている。どうやら、納戸にしまわれていたあの子たちがかわるがわる出てくるみたい。


 あの中に花瓶が一つだけ入っていた。大きいシンプルな花瓶で、私が使うにはちょっと大きすぎる。悩んでいたら、いつの間にか花瓶が棚の上にいて、針金でできた蝶々がデザインのようにとまっていた。


「素敵ね」


私がほめると、蝶々が羽を動かして見せた。かわいい。



読んでくださり、ありがとうございます。

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