29話 工作、30話 訓練
ほっこり話
29.工作
夏休みになると、子供たちは工作なんかをするけれど、作りすぎると私の家に持ってくる子がいる。あのスライムをくれた子だ。
「おねーさん、これ、わたしが作ったの!」
少し自慢げに見せられたのは、太い針金に色とりどりの糸を巻き付けて、蝶々の形にかたどったインテリアだった。
「きれいだわ。上手ね」
にっこり笑ってそう言うと、
「本当は髪飾りにしたかったんだけど、小さいのは難しくて」
とちょっと口を尖らせた。かわいい。
「針金、固そうだものね」
その子は頷くと、「じゃあ、またね」と手を振って帰っていった。
私はさっそく、壁に蝶々を飾って楽しんだ。
30.訓練
緑の兵隊たちがサボテンの前に整列していた。
私は何が始まるのかと見ていると、数体ずつに別れて何やらケンカしている。
「あらあら、ケンカはダメよ?」
サボテンは身振りで止めようとする私を止めると、私に何やら説明しようと身振り手振りをするのだけれど、さっぱり分からない。
首をかしげていると、ラディッシュが鉢植えから起きてきて、サボテンにとびかかった。
すると、サボテンも応戦する。でも、どこか空手や柔道の組手のように見える。
「あ、もしかして、訓練?」
サボテンとラディッシュが正解と言うように、嬉しそうにピョンピョン跳ねた。かわいかった。
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