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不思議な家  作者: 猫野沙子


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23話 ナッツ、24話 ゼリー

カラスと少年のその後、宅配のお兄さん再び

23.ナッツ


 子供の頃、近所のおねーさんとカラスを助けたことがある。


 無事に飛び立ったカラスは、それからもおねーさん()や俺の家の周りをよく飛んでいた。


 餌をあげてはだめだと言われていたから、その頃からこっそりナッツをポケットに入れるようになった。


 大人になって遠く離れた都会に来ても、ポケットにはナッツが入っている。


「ほら、今日も来ただろう?」


同僚が目を丸くしている。間近に来たカラスは意外と大きいものだ。しかも、助けたカラスはほかのカラスより大きいからびっくりしているんだろう。


「頭いいんだ、こいつ。ほら、またな」


一粒のナッツを食べて、もう一粒やると、それはくわえて持って帰る。つがいへのプレゼントらしい。


 口を開けたままカラスを見送る同僚がおかしくて、俺は笑った。





24.ゼリー


 無性にゼリーが食べたくなって、たくさん作ってしまった。ご近所に配っても、まだ冷蔵庫にはゼリーが余っていた。


 そこへ、宅配のお兄さんが荷物を届けに来てくれた。きっと、この前買った犬用の枕が届いたのだ。


「こんにちは。今日はインコに”ヘイワ”って言われて安心しましたよ」


「よかったですね。ところで、少しお時間あります?」


「10分くらいなら大丈夫です」


「じゃあ、ゼリー食べていきませんか?たくさん作ってしまって」


 宅配のお兄さんはゼリーを2つ食べてくれた。


「美味しかったです。ところで、その緑色……あ、兵隊?!」


窓辺で虫を狙っていた兵隊が、宅配のお兄さんの声を聞いてちょっと迷惑そうに振り返った。


「ええ、頂いた兵隊です。最近は虫を退治してくれるので、助かってます」


「え、ああ。よかった、です」


 宅配のお兄さんは、ちょっと顔を引きつらせて、ぎこちない動きで仕事に戻っていった。もしかして、甘いものが苦手だったのかしら。



読んでくださり、ありがとうございます。

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