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不思議な家  作者: 猫野沙子


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21話 カラス、22話 小さきもの

ほっこり話といつもの話

21.カラス


 前にスライムをくれた子の弟が、泣きながらうちを訪ねてきた。


「このカラス、助けて」


ケガをしたカラスを抱いて持ってきた。カラスに突かれたのか、腕から少し血がにじんでいる個所もある。私はその子に応急処置をしてあげた。


 聞けば、ご両親に怒られて「戻してきなさい」と言われたらしい。カラスは保護対象でもないし、野鳥は勝手に飼ってはいけないのだ。私は困ったけれど、泣いている子を突き放すことも出来なかった。


「じゃあ、治るまでうちで置いてあげる。でも、治ったらまたお空に離すからね」


「え、飼えないの?」


「野生の鳥は勝手に飼えないのよ。それに、自由に飛べなくなったらかわいそうでしょう?だから、飛べるようになるまではうちにおいてあげる。ぼくも毎日来て、面倒を一緒に見てね」


 カラスは翼を傷めたようで、うまく飛べなくなったようだ。それから毎日男の子はうちに来て、カラスにエサをあげたりした。カラスも警戒していたけど、数日するとエサを食べてくれるようになって、ひと月ほどするとちゃんと羽ばたけるようになった。


 ある休日の朝、男の子がいつものようにエサをあげに来た。私と一緒にカラスにエサをあげると、カラスはエサを食べた後、大きく羽ばたいて見せた。それから、木まで飛んでとまると、こちらをみて、


「カア!」


と一声大きく鳴くと、とうとう空へ飛び立っていった。男の子は泣きながらカラスに手を振った。私は無事に回復してくれてよかったと思った。


 それから男の子は、私を見かけると近くにいるカラスを指さして、

「あのカラスだよ!」

と教えてくれるようになった。確かにあのカラスにはいい餌をあげてしまったせいか、他のカラスより大きかったけれど、電線にとまっていたカラスはきっと別のカラスで、この子の見間違いだろう。

「元気になってよかったね」

 そう言うと、男の子は嬉しそうに「うん」と言ってカラスに手を振った。




22.小さきもの


 友達の家を訪ねた。この前お泊り会をしたから、私は彼女の家にいる不思議なものたちに動じなくなった。


 大きなセキセイインコに、「こんにちは」と言うと、


「コンニチハ、オマエ、オドロク」


と言われた。そういえば、前に来た時に「ニク」って言われたけれど、その日はスーパーで肉を特売していたと思い出し、ちょっとだけ身構えながらチャイムを鳴らした。


「いらっしゃい」


「む、虫~~~?!」


 友達の頭に緑色のものがうごめいていた。私は虫が大の苦手だ。家庭菜園でもよく悲鳴を上げているくらいだ。


「ああ、これは兵隊さんよ」


「へ?え、ええっ?!」


よく見ると、確かに兵隊だった。彼女の髪につかまって、こちらに銃口を向けてきていた。


「虫を退治するのが楽しいみたいなの。あがって」


 なぜ平然とプラスチック製の動いている兵隊人形を頭にのせたままなのかは分からないけれど、一番謎なのは、何でそんなもの持ってるのか、だった。



読んでくださり、ありがとうございます。

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