閉話11 会話?
投稿を投降を再開しました。お読みいただければ幸いです。
シンキョウトのある場所で何人かの老人たちが会合を開いていた。
「こんど九頭様がヤマトに来られるとのことだ。来られるまでに、かねてからの計画を実現するのだ」一人の老人が低い声でゆっくりとしゃべった。
「現在、計画の実行のため、大至急で準備を進めております」別の老人が言った。
「急ぎすぎで失敗は許されぬ。確実に実行していくのだ」
「はい、わかりました」
「明」最初の老人が声をかけた。部屋の隅に30代ぐらいの男が控えていた。
「はいなんでしょうか。家長様」明は返事をした。
「九頭様には何としてでも我が家に泊まっていただくのだ。手を尽くすように」
「はい、手段を択ばず目的を遂行いたします」明はそう言って、頭を下げた。
そして明は思い出したように「九頭様には、例の件についてお話ししてよろしいでしょうか」と尋ねた。
「それは裏切り者にされた件か」その老人が問うた。
「九頭様にとって一番の関心ごとだと思われます。これを餌にすれば、我が家に泊まることも了承されるかもしれません」
「その程度のことは構わんだろう。軍も高級幹部たちがみないなくなったしのう。軍のメンツなど気にすることもない」その老人はこともなげに言った。
「それでは、そのように」明はそう言って、部屋から退出していった。
「これで我らが先祖から代々命じられてきた事も無事に達成できるだろう。わしにお迎えが来る前で本当に良かった」老人は安どの声でつぶやいた。
そして老人たちはその場から立ち上がり、一人の老人が茶の間の壁を軽くたたいた。
パカッとその部分が開き、奥には階段があった。老人たちはその階段を下りていった。
降りた先には、巨大な演算装置とそれにつながった二つの培養槽があり、ポコポコと音を立てていた。
「計画は順調か」演算装置につけられたスピーカーから声がした。
「順調でございます。間もなく、九頭一史様がこの家にいらっしゃるでしょう」
「うふふ、200年の思いがかなうというのですね。本当に待ち遠しい」スピーカーから別の声がした。その声は先ほどの声よりもやや若い印象があった。
「焦ってはだめですよ」最初の声がたしなめた。しかし、怒っているのではなく、自分もうれしくてしょうがないのが、感じられる声だった。
「分かりました、姉さん」その後、二人の笑い声がこの狭い空間にこだました。
その場の老人たちは只々頭を下げるばかりだった。
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