第29話 ミズホ国家の成立
今回が第1章の終わりとなります。お読みいただければ幸いです。
何組かの名家の女たちはよりを戻すことに成功したそうだ。
絶対拒否される者もいて、それらは悔しそうにヤマトへ帰っていった。
また、ヤマト人女性が急増したことで、既婚、未婚に関わらず男性に対してアプローチするヤマト女性が増えた。
クリス人側もこのことに危機感を募らせ、配偶者をヤマト女から守ろうと、必ず誰かが付いていて単独行動させないようになった。
新しく来たヤマト人と今までいたクリス人との間での男の取り合いはかなり激しいものであった。
積極的なアプローチに恐れをなす男の子も多くなっていった。
「このままだと、まずいよな」九頭はアイと話をしていた。
「そうだね~、あまりよい状態ではないね~」
「とりあえず、エリーとマイに言って、クリス人とヤマト人の統制を行ってもらい、男の子たちを保護するため、女性の進入禁止区域を設けてセーフティゾーンを作ろうと思う」
「このままだと、男の子たちがかわいそうだものね~。いいと思うよ~」
この方策はすぐに実施された。女性からのアプローチに嫌気がさした男の子には、数か所設置されたセーフティゾーンに入ることで、逃げられるようにした。
また、エリーとマイに監督させたことで、お互いのいさかいは表面上なくなった。
とりあえずこれでしばらく様子を見よう。
子供たちも次々と生まれていった。不思議なことに男女比率がほぼ1対1になっていた。医学関係者に調べてもらうと、男性の精子が大変活発になり、Y染色体も増加したせいだと判明した。
これなら人工授精も可能であるが、今のところ移民で十分必要人口が賄えているため、技術開発だけ実施し、いつでも開始できる体制を整えた。
これら子供たちの生活環境も問題となった。
両親とも子育ての経験がないため、どうすればよいかわからないという問い合わせが殺到した。
そのため育児センターを建設し、ヤマトとクリスの保育施設で経験を積んだ保育士を招へいし、両親に対して育児教育を行うとともに、保育士の育成を始めた。
ただ、ヤマトとクリスではやり方が違うため、別々に施設を建設し、良いところをお互いに学びあう交流システムを作るとともに、どちらの施設に子供を入れるかは両親に任せることとした。
また、いくつかの利用パターンを用意し、育児センターにて養育するもの、通常は育児センターに預けていてたまに子供と交流を図るもの、あと、子供を家庭で養育し、業務等で一時的に預ける形を選択するものと、いろいろな形に対応できるよう体制を整備した。
実際にふたを開けてみると、ほとんどの夫婦が育児に関心があり、家庭での養育を希望し、サポートを受ける形を選んでいた。
ミズホではそれまで農業、鉱業が主体であったが、ヤマトとの交流が盛んになったことで、工業や各種製造業が始まり、サービス業の進出も計画されていた。
ミズホ独自での兵器生産も開始され、軍事的な面でも強化された。
ここで国家としての体制を見直して体制の整備を行うこととなった。
国の正式名称をミズホ国とし、私が総統として政治と軍両方の代表を務めることとなった。
内務、外務、軍務、経済、教育、情報の6つの行政省を設けて、業務を執り行う官僚たちも雇用した。
私生活でも変化があった。妻たちが全員妊娠したのだ。しばらくは禁欲だが、正直ベッドでぐっすり眠れるのはとてもうれしい。
ミズホ国は徐々に国家としての体裁を整えつつあった。
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読者の皆様、最後までお付き合いいただきありがとうございます。
第2章は、予定では外国への訪問と通商条約の調印及び観光がメインとなる話を考えています。少し戦いの話も出てくるかもしれません。ヤマトやクリス、イムやまだ出てきていない国にもいくかもしれません。この章では、今の構想だと九頭が裏切り者扱いされた理由が書くつもりです。
遅筆なもので、お時間いただくと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。




