閉話3 ミレニアのピトケアン探訪
毎日18時に投稿しています。お読みいただければ幸いです。
わたしこと、ミレニアとその一行は九頭が率いる武装勢力、自称「ミズホ王国」に行くこととなった。
サルガッソーを抜けて、広い宇宙空間に出た。さすがにサルガッソーの抜け方は教えてもらえなかった。しばらくして5つの惑星を持つ恒星系についた。名前を聞くとバウンディ星系というらしい。その第三惑星に我々は降り立った。
私たちはそのまま迎賓館に送られた。私としては機密のありそうな本屋敷に行きたかったが、さすがに入れてはもらえなかった。「旦那様の部屋に行きたい♡」と言ってみたが駄目だった。色仕掛けは効かなかったようだ。
すでにこの国の概要は聞いていたが、実際に目にすると小さい村という感じだった。
九頭達の住む屋敷の他は家がぽつぽつとあるだけで、店らしきものも一つしかない。住民のほとんどが人工クリス人でヤマト人が20名ぐらいいるとのこと。ただ、ヤマト人のかなりの数が男性であり、5人いるヤマト人女性はすべて九頭様の妻とのことだ。
私とマーちゃんは村の視察に向かった。案内はヤマト人のマイとヤマトの男の子数名だ。
全員古い形の軍服を着ている。聞くと、ヤマト独立軍の軍服とのこと。
この国ではヤマト独立軍の服を採用しているらしい。
ヤマトの男の子は全員若い。聞くと、彼らはみな戦闘機のパイロットで、本日は使節団の警備のため、陸兵の戦闘態勢を取っているとのこと。
「君たちは男でしょ?戦闘訓練を皆受けているの?」私は聞いた。
今やどこの国でもそうだが、男子の出生率は低下しており、人工子宮から生まれるのも女ばかりで、社会活動、特に戦闘行為は女性がするのが常識だからだ。
「僕たちは、この地と愛する者を守るため、志願して兵士として働いています」男の子の一人がそう言って、胸を張りました。
「僕たちは、非常時には敵に…」と別の男の子の一人が自慢げに言いかけたところをマイが「そこまでしろ」と言って止めました。
惜しいところで止められた。どうも何か隠しているようだ。それに、男の子たちの戦闘意欲は高く、国に対する忠誠心も高いことが読み取れた。
街中は人通りも少なく、みな人らかの仕事についているらしく、忙しそうにしていた。
この国に一軒だけある何でも屋のような店についた。
「この店に入ってみてもいいですか」
「ええ構いませんよ」マイは言った。
中は広くとってあり、食料品や雑貨、ホロムービーの映像機器など思いつくものがいろいろ売っていた。
「いらっしゃい」白人系の女が店番をしていた。その女はマーちゃんの顔を見て少し驚いていた。
「あっ艦長殿、生きていらしたのですね」
「あなたは?」マーちゃんが軍人らしく答えた。
「私は元クリス軍兵士長YZI39428、今はミズホ人になって旦那様からニヤという名前をもらっています」
「あなた結婚したのですか」私はびっくりして聞いた。
「はい、私だけでなく、あちこちで結婚したものがいますよ。ここはヤマトの男がたくさんいますから。艦長もここで結婚してミズホ人になったらどうです?」
「ええ。そうするつもりよ」マーちゃんが思わず素で答えてしまった。
「艦長殿は誰を狙っているのですか」ニヤは楽しそうに聞いてきた。
「九頭様♡」
「総統閣下ですか!でも総統閣下には6人も奥様がいらっしゃると聞いていますが。艦長殿ぐらい名門の家柄だと7番目というは家柄的に難しいと思うのですが」
「色々がんばるわ!」マーちゃんは気合を込めていった。
「はあ、頑張ってください艦長殿」苦笑いしながらニアは言った。
「アイスでも食べませんか。おごらせていただきますよ」ニアは言った。
「いえ結構です。行きますよ、マーガレット大尉」ここで情報を集めてもいいが、マイたちの監視付きだし、人工ごときではろくな情報も持っていないだろう。それにミズホ人の夫がいるとのことだから、偽情報をつかまされる恐れもある。九頭のことだ、そのぐらいはやりかねない。そう思い、機嫌悪そうに言った。
「それじゃまた、艦長殿」にゃ~と笑いながらニアは言った。
少しなれなれしいのではないかと思いながら、ここで叱責してミズホ人たちの心証を悪くする意味はないと思い我慢した。
外に出て、周りを見回すと、離れたところにある建物が目についた。何か気になるのでその建物を指さしていった。
「遠くに見えるあのバラックはなんですか?マイさん、あそこに行きたいのですが」
「あそこはだめです」マイさんは答えた。
「なぜです?」
マイさんは一瞬まよった顔をしたが、すぐに笑顔に変わり「あそこは単なる物置です。見に行っても面白いものはないし、危険なものもありますので止めておきましょう」
「ぜひ見たいのですが」私も何があるか気になったのでお願いしてみた。
「ダメです。お客様を危険にはさらせませんので」マイさんはニコッと笑っていった。
「我々は視察に来たのです。それとも私たちには見せられないものなのですか?」
「私たちの任務は、お客様の案内のほか、お客様の安全を守ることです。危険な場所にはお連れできません」マイさんの顔が真面目なものになった。ヤマトの男性兵が私たちを取り囲んだ。
緊張感が漂い、私はマイさんの目を見た。その眼は真剣だった。
「分かりました。諦めます」私が折れた。
「さあ、別の場所を案内しましょう。と言ってもあとは農場ぐらいですかね。もう帰りましょうか?」マイさんは微笑みながら言った。
「分かりました。帰ります」私は言った。
「はい、迎賓館までお送りします」マイさんはニコッと笑いながら言った。
迎賓館に戻ってから、私はいろいろ考えた。あの建物には何があるのだろうか。この国の秘密に触れる物に間違いはない。
夜は迎賓館で九頭とその奥さんたちと一緒に食事をとった。私たちに奥さんを紹介してくれた。彼はにこやかに話をしていた。
彼の奥さんは、ヤマト人が5人、クリス人が1人だった。正妻格はアイさんというヤマト人の女性で、穏やかそうな顔をした人だった。
なんとか、彼女たちを出し抜いてマーちゃんと二人で九頭の妻になるぞと、ひそかに闘志を燃やした。
この国の食事はおいしかったが、私は先ほどの施設が気になるあまりあまり食べられなかった。
この国には何か大きな秘密があるのかもしれない。そう思うと、なんとしてでも情報を手に入れなくてはと思ったが、誰かに聞こうにも監視の目があり、かなり難しい。どうにかならないかと思いを巡らしていると、二人のヤマト女がやってきた。たしか二人とも九頭の妻で、ユウとユアという名前だったと思う。
「「あまりこの国の機密を嗅ぎまわらない方がいいよ。パパは一見温厚だけど、敵には容赦しないから」」二人はそう一言だけ言って戻っていった。
恐怖心が私の心に沸き上がった。必要とあれば私たちを全員消すということなんだろう。
そういえば、ご先祖さまの手記にも書いてあった。ヤマト人は温厚だけど、非常の際は死もいとわない恐ろしいところがあるから気を付けろと。
それでもこの情報は手に入れなくてはならない、そう思いながら、私はマーちゃんと一緒のベッドに入った。
マーちゃんが寝た後、私は起きだし、真っ黒な夜間偵察用の戦闘服に着替えて、出ていこうとした。
「ねえ、どこに行くの?」マーちゃんが声をかけていた。まずい、起こしてしまったようだ。
「ああ、起きちゃいましたか。ちょっとあのバラックを確認してきます」
「やめなよ、危ないよ」
「大丈夫です。これでも訓練は受けています。すぐに戻ります」そう言って窓から出ていった。
そして私はその倉庫でとんでもないものを発見した。
お読みいただきありがとうございました。もし少しでも気になりましたら星かブックマークをいただければ大変ありがたいです。
星一ついただければ大変感謝です。ブックマークをいただけたら大大感謝です。ぜひとも評価お願いいたします。
読者の皆さん、ブックマークか星を入れていただけると作者はとても喜びます。どうかよろしくお願いいたします。




