第一章6話 打て、その魔法
「魔法を教えてほしい、、、?」
俺は部屋でくつろいでいるリリーの元へ向かっていた。
「うん。今の所戦力になるのはオリヴァの武術と、リリーの分身、、も一応頼りにしていいのかな、、その二つだけだし、戦力は多いに越したことはないんじゃないかなと。」
リリーはベッドから立ち上がる。
「そうですね。確かに現状アオ様は機転が少し効くだけですから、魔法を覚えれるなら願ったり叶ったりです。
ただ、一つ問題があるとしたら。」
「、、、?あるとしたら、、、?」
「アオ様に魔法の適性があるかどうかです。」
適性、、、?そんなものがあるのか、、、
「えーっと、、適性ってのはどうやって分かるんでしょうか、、、」
リリーは俺の前に立ち、俺の胸に手を当て、目を瞑る
「私のマナを用いて、この者のマナを感じ取りなさい。」
リリーはそう言ったあと目を開ける。
「一応適性はあるみたいですね。では属性を確かめましょう。」
マナだの、、属性だの、、、ゲームみたいな話だな、、、
「属性は全部で8種類あります。火、水、土、雷、氷、光、闇、そして、無。」
「無、、、、?無属性ってなに?」
「その名の通り、他属性にとらわれない魔法が使えます。空気を押し出したり、身体能力を向上させたり。アオ様が今まで見てきた魔法は全て無属性の魔法です。とはいえ、無属性は基本的に誰でも使えますが。」
「なるほど、、、要するにみんな無属性にプラスアルファで他の魔法が使えるって感じか?」
リリーは頷く。
「はい。おっしゃる通りです。私はこの状態では無と、光しか使えません。分身した際、分身体に合った魔法が使えますが。」
「なるほど、、、結構チート級だな、、、」
俺がそう呟くとリリーは首を横に振る。
「いいえ、分身体は私の意識では動かせない上、アオ様がおっしゃっていた通り分身すればするほど力は弱まります。素の力で一番強いのは今の状態です。」
「なるほど、、、力の調整が入るって感じか、、、そういえば分身も魔法なの?あれ使う人が何人もいたら、この先結構めんどくさいんだけど、、、」
リリーはまた首を横に振る。
「分身は魔法とは違います。これらの特別な力はフロラと呼ばれていて、持つ人は限られます。」
「フロラ、、、限られるってことはそう言う特別でその人にしかない力を持っている奴が何人かいるってことか、、、」
リリーは頷いて言う。
「はい。おっしゃる通りです。そして、魔法はマナを使えばその人の適性が大体わかりますが、フロラは詳細を見る方法はありません。」
「確かに、、、初見で分身とかきてもわかんねーもんな、、、」
リリーは首を傾げる
「初見、、、、?」
俺は慌てて訂正する
「ああ!ごめんごめん!こっちの話!」
俺が夢オリヴァに与えられている夢を見る力もフロラなんだろうか、、、
「話は逸れてしまいましたが。とりあえず、魔法を打ってみましょうか。見たところアオ様は無属性以外適性のない特殊な方のようですし」
「嘘でしょ!?俺みんなが使えるやつしか使えないの!?」
リリーは、はぁとため息をつく。
「まぁ、無属性も極めれば使えますから、諦めず頑張りましょう。」
仕方ない、、頑張るか、、、
そうしているとオリヴァが部屋をのぞいてくる
「2人して何をしてるの?私だけ仲間はずれ?」
「オリヴァ姫。今ちょうどアオ様に魔法を教えようとしていたんです。」
オリヴァはなるほどと手を叩く。
「それはいいわね。アオは今の所戦いには役に立たないもの。」
「オリヴァさん、、、?すごく正しい指摘なんですけど流石に傷つきますよ俺、、、、」
リリーは、また、はぁとため息をつく。
「いいからやってみましょう。初級魔法のルーバからやりましょうか。」
「ルーバ、、?」
「ルーバは空気を押し出す魔法です。やってみせた方が早いですかね。」
そう言ってリリーは手をまっすぐこちらに向ける。
「ルーバ。」
空気の塊が俺の顔スレスレを、通っていく
「いや!確かにすごいけどわざわざ俺の近く狙わなくていいでしょ!」
「なんのことでしょうか。」
リリーはあからさまに顔を背ける。
どうやら俺のことは一応様付けしてるだけで別に印象は良くないようだ。
「と、、とりあえずやってみるか、、、」
リリーが俺の手に自分の手を添える。冷たくて気持ちいい手だ。
って、そんなことより、この子は一体何をしているんだ、、、?
「えっと、、、リリーさん?何をされてるんですか、、、、?」
「見ただけでできるほどアオ様は器用ではないと思いますので。私がマナの使い方を直接教えます。まず、空気の塊を作ると言うイメージと押し出すと言うイメージが大事です。使いこなせるようになれば意識も要らなくなります。」
なるほど、、、教えるためか、、、
「わ、、わかった。じゃあやってみる、、、」
空気のボーリング玉を作るイメージ。そしてそれを押し出してまっすぐ飛ばすイメージ。
「ルーバ!」
俺がそう宣言しても何も起こらない。
「何をしているんですか。まだマナの使い方を教えてませんよ。」
俺は顔を真っ赤にしてリリーに
「恥ずかしいことさせんなよ!!わざとだろ絶対!」
リリーは顔をあからさまに背ける
「なんのことでしょうか。」
こいつ、、、、!!教えてもらってるからなんもいえないけども、、、、!
「では、この辺りがグッとなるイメージで打ってください。」
そう言って俺の頭に触れる。
「わかったよ、、、イメージイメージ、、、ルーバ!」
全身が沸騰するような感覚。そして指先がビリビリとなって空気の塊ができ、放たれる。
が、途中でふらふらと床に落ちる。
リリーは、はぁとため息をつく。
「まぁ、打てただけでも上出来ですよ。熟練させれば強くなりますから。」
なんでそんな酷いこと言われなきゃいけないんだ、、、これが現実なのがよりやるせない、、、
そうこうしていると外から煙臭い匂いがする。
「ん、、、?なんだこの匂い、、、」
リリーとオリヴァの表情が険しくなる。
「あっちの街の方ですね、、、向かいましょう。」
「ええ、いくわよ。リリー。アオくん。」
窓から外を見る。
街から煙が上がってる、、、!?
「急ごう!オリヴァ!リリー!」
俺がそう言うと2人は頷いて馬車を用意して、乗り込む。
一体この世界では何が起きてるんだよ、、、、
そういうごちゃごちゃを抱えながら俺たちは街へ向かった。
(???)「ふふっ、、誰かがこっちに向かってきている。夢見心地だわぁ、、、」




