第一章5話 橋本○○○
馬車の中には不思議な光景と重々しい空気が流れている。
俺たちを殺そうとした女の子と3人だけの空間。
沈黙に耐えきれず俺は口を開く。
「あ、、あのさ。とりあえずー改めて自己紹介とかしない?色々あったしさ」
金髪の子は頷く。
「そうですね。では私から。私はリリー。先ほどまでの無礼は本当に申し訳ありませんでした。」
「私はオリヴァ。オリヴァ・フラガンテ。」
2人の視線が俺に注がれる。
「俺は、橋本蒼薔。よろしく。」
、、、、、、沈黙。
沈黙を真っ先に破ったのはリリーだった。
「やはり、そうですか。アオ様。ですね。」
様、、、、?俺はいつから敬称されるようになったんだろうか、、、
訳がわからないままいると、オリヴァが俺に説明してくれる。
「この国にはね、すごく不思議な言い伝えがあるの。アオという名前の人がこの国に来た時、災厄が訪れる前兆であろう。って言うね。」
は、、、?災厄が訪れる、、、?俺のせいで、、、?どう言うことだ、、、、?
頭にごちゃごちゃが溜まったまま尋ねる。
「え、、えと、、どう言うこと、、、?俺に何かできるわけでもないと思うんだけど、、、」
リリーが続ける。
「詳しい話は私にもわかりません。ただ、そういった言い伝えがあるんです。あなた様がこの国に来た時最悪の神が復活する、と言う言い伝えが。」
一体何が何だかわからない…どういうことなんだろうか、、、
わからないことだらけだけど、今何かできるわけでもないんだろう、、
そう思うことにしてとりあえず目の前の問題から解決することにした。
「リ、、リリーってさ、誰にお願いされてオリヴァを狙ったの、、、?」
リリーは少し俯いて答える。
「最悪の神の、右腕を名乗る男でした。オリヴァ姫を始末しないと大変なことになる、と。」
やはり神とやらが関係してくるのか、、、
「そう言えば、オリヴァってどうしてリリーに姫って呼ばれてるの、、?」
オリヴァは少し驚いた顔をして答える
「そうね、、確かに話してなかったわね。一応この辺の代表的な感じ?で私が領主ってことで姫って呼ばれてるの。」
そうだったのか、、、どうりでお嬢様っぽい口調だったわけだ。
わからないことはまだまだ多いけれど、やっと少しだけ理解でき始めた気がする。
そうこうしているうちにオリヴァの屋敷に着く。
まるで絵に描いたようなお城だ。
「ここが私のお屋敷。空き部屋もあるから、しばらく滞在してくれていいからね。」
お屋敷の中に上がり、オリヴァに案内されて部屋に入る。
ベッドに腰をかけ倒れ込む。
何が何だかさっぱりわからないが、とにかく、色々ありすぎた。本当に色々。
眠いな、、、目を瞑るとすぐに意識を手放した。
夢の中にいる感覚。声が聞こえる。
「ねぇねぇ。やっとちゃんと会えたねぇー?」
オリヴァだ。間違いない。ただ、話し方が違うし、リリーみたいな感じで分身とかなのかもな。
そう思い彼女に尋ねる。
「君、名前は?」
その子は驚いた顔をして言う
「オリヴァよ。知ってるでしょ?」
やはり同じ名前なのか。紛らわしいし夢オリヴァと言うことにしよう。
「俺が毎回正夢というか予知夢というか、、、そういうの見るのは君のせいなの?」
夢オリヴァはニッと笑って言う。
「そうよぉ〜。私が見せてあげているの。あなたにはやってもらわなきゃいけないことがたくさんあるからねぇ。」
「やってもらわなきゃいけないこと?」
夢オリヴァが頷いて言う。
「神を、殺して、全てを終わらせて欲しいのよぉ。」
「神を、、、殺す、、、?そもそも神って誰なんだ、、、?なんで災厄と呼ばれている?」
夢オリヴァはニヤッと笑って言う。
「神の目的なんて私にもわからなぁい。ただ、一つだけ教えておくわね?神の名前はス、、、、」
言いかけて夢オリヴァはやめる。
「そろそろ時間みたいねぇ。しばらく直接は会えなくなるけれど、、あんまり無茶しすぎない程度に無茶してねぇ。?」
「ちょ、、、!?待って、、、!!!いったいどう言う、、!?」
世界が壊れていく。現実に引き戻される感覚。
「気をつけてねぇ。きっとこれから、、、、、」
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
意識が戻る。目が覚めた。それが感覚的にわかる。朝が来たんだ。
カーテンを開ける。綺麗な庭が見える。神を殺して欲しい、、なんて言われても俺にそんなことができるんだろうか、、、、
ただ、一つ言えることは、俺が原因ならば俺が自分の手でなんとかしたい。と言うことだ。
きっとそれが俺がこの世界に来た理由なんだろう。
この先どんな運命が待っているんだろうか。未来で、俺とオリヴァと、ついでにリリーと。
みんなで笑い合う世界にしなければいけないな。
そのためにまずするのは、、、俺の強化だな。
そう思い、俺は自室の扉を開け、部屋の外に出た。




