第一章2話 無駄な足掻き
なんで、、、時間が巻き戻った、、、、?
そもそもあれは現実だったんだろうか。いわゆる予知夢というやつだったんだろうか、、、
そんなことを考えているとオリヴァが俺の顔の前で手を振る。
「おーーい?聞こえてる?あなたが話しかけたのよ?」
俺はハッとなって慌てて返事をする。
「ご、、ごめん!オリヴァ。ぼーっとしてた。」
オリヴァは、はぁとため息をつく。
「それで、私に何の用?」
「用事、、えっと…聞きたいことはたくさんあるけど……とりあえず、オリヴァって誰かに狙われてたりする?」
オリヴァの顔が一瞬歪む
「、、、どうしてそんなこと聞くの?初対面なのに少し失礼だと思うんだけれど。」
返事を聞かなくても今の反応を見ればわかる。わかりやすいなこの子、、、、
「ごめん、こんなこと聞いて。これから屋敷に帰るの?」
「そうだけど、、、それが何か?」
さっきの夢ではオリヴァの方から屋敷に誘ってくれたけど、、、変なこと聞いたから警戒されているのかな、、、
「えっと、、、俺に護衛させてくれないかな?ほら、馬車って結構事故しやすいと思うしさ。」
オリヴァはさらに警戒を強める。
「どうして私にそこまでしようとするの。あなた何者?」
、、、、確かに、逆の立場なら俺でもそんな反応するだろうな、、、仕方ない、、とりあえずなんとか後ろから着いていって正夢にならないようにしないと、、、
「あーーーっと、、、、用事思い出したから!これで!じゃあ!」
走り去るフリをして俺は物陰に隠れる。夢で馬車はそこまで早くなかったし、きっと走れば追いつける。オリヴァが馬車に乗り込むのを見て、後ろから着いていくことにしよう。
………
さて、そろそろ夢で見た場所だ。
「ん、、、、?なんでこんなところに女の子が、、、?」
草陰に女の子が隠れるように座っている。もしかして、かくれんぼでもやっているのかな、、、でも、こんなところいて、夢の通りになったら危ないよな、、、
「ねぇ、そこの君」
声をかけると少女は驚きもせず振り向く
「お兄さん誰ー?うち今お仕事中なのー。」
背筋がぞくりとする。動けない。声が出ない。間違えるはずもない。この声。この喋り方。
夢の中に出てきた、オリヴァを殺した張本人。
「、、、、ここで、、なにしてるの、、?」
なんとか声を絞り出す。汗が背中を伝う。大丈夫、、、きっとただの子供だ、、、そう自分に言い聞かせる。
その子はふっと笑って胸元から刃物を取り出す。
「お兄さーん。お仕事の邪魔、しないでよー。」
ドスっと刃物が俺の腹に刺さる。刺さる、、、刺さる、、?刃物が、、、ささ、、、
「ぐぁぁぁぁぁぁあ!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い、、!
なんだこれ、、、血が、、、、なんでこんな目に、、、なんで俺がこんな目に、、、、なんで、、なんでなんでなんで、、、、、痛い痛い、、、?痛く、、ない、、、?
「これ、、、は、、、、、、夢、、、なの、、、か、、、、、?」
薄れゆく意識の中でオリヴァの声が聞こえる
「あららぁ。今度は自分が死んじゃったんだぁ。じゃあ、今度はどうなるかなぁ?」
………ぃ
…………おーい!
「おーーーい?聞こえてる?あなたが話しかけたのよ?」
また、、、、夢、、、なのか、、、、、?
「お腹、、、血、、、出てないよな、、、、」
オリヴァが心配そうな顔をする
「本当に大丈夫、、?」
「ぁ、、えと、、、」
なにも考えられない。1回目の夢ではオリヴァが死んで、2回目では俺が死んだ。
あれはほんとに夢だったんだろうか、、、
オリヴァが心配そうな顔をしている。
「あなた、、、行く先がないならうちのお屋敷に来る?寝床くらいはあるからゆっくりできると思うんだけれど、、」
寒気がする。きっと今まで夢で見たことは現実でも起こる。このまま行けばまた、俺かオリヴァ。
もしかしたら2人ともあの子に殺されるかしれない。
「ダメだ、、、!今日は、、その、、、一緒宿に泊まったりとか、、、、」
オリヴァが不思議そうな顔をする
「どういうこと?どうして宿屋に?私のお屋敷じゃダメなの?」
ダメだ…だけど、なんていえばいいんだろう。帰る道中少女に殺されるから屋敷に行けないと言って誰が信じるだろう。
しかも、多分今俺とオリヴァは初対面だろう。初対面のやつにこんなことを言われてはい分かりましたというほど
この子は警戒心が薄いわけではないだろう。別の打開策は、、、、
「じゃ、、、じゃあ、ちゃんど護衛をつけよう?危ないことがあってからじゃ遅いし!」
オリヴァは首を振る
「大丈夫。私こう見えても強いんだから。何かあったら私が守るから。」
この子は本当にお人好しなんだろう。普通見ず知らずの他人を守ろうなんて考えるだろうか。
でもダメなんだ、、、きっとまたあの夢みたいに、、、ん、、、?あの夢、、、、?
そうだ。夢ではオリヴァは相手が1人だと思って油断していた。でも、敵は2人いると伝えればもしかしたら、、、
「わかった。じゃあ早く行こう。」
急げばもしかしたら襲われなかったり、、、しないだろうな。多分。あの子はきっと待ち伏せしている。
とはいえ、きっと今度は大丈夫だ。きっとうまく行く。俺ならうまくやれるはずだ。
馬車に乗り込み、走り出す。そろそろ、あの場所だ。
馬車が揺れて止まる。
「魔法の拘束を受けて止まっている見たいね、、、」
やっぱり。あの時と同じだ。
コツ、コツ、と外から足音が聞こえてくる。
「あれぇ?事前のミーティングではオリヴァ姫しかいないって話しだったけど、、、害虫が混ざってるなぁ。」
「ハシモトくんは下がっていて。きっと標的は私だから。」
「いくらオリヴァ姫でもお荷物を抱えたままうちに勝てるのかなぁ?」
「あなた1人くらい、このくらいのハンデで大丈夫よ。」
俺は今だと思い、声を上げる
「オリヴァ!もう1人いるぞ!草陰!」
オリヴァは草陰から飛び出したもう1人の刺客の攻撃を避ける。
「あれー。マジ避けられたしー。ガチ萎えタンなんですけどー。」
同じ顔の子が2人、、、ただ、髪色、そして声が違う。
1人目。俺が2回目の夢で俺を殺した子。その子はオレンジ色の髪色をしていたが、2人目の刺客は黄色の髪色をしている。
どういうことだ、、、、なんで同じ顔なんだ、、、?
「というかー、そこのお兄さん。どうしてうちが2人だと思ったのー?」
背筋が凍る。まだ敵がいる可能性があるということだ。
そう思ったのも束の間、背中に痛みが走る。痛い痛い痛い…なんだ、、、これ、、、刺され、、、
なんとか後ろをみると、白髪の同じ顔の子が立っている
「ねえねえお兄さん。痛い?ねぇ、痛いー?きゃはははははは!」
あれ、、、痛くない、、、、、、?
もしかして、、、また夢、、、なのか、、、
薄れゆく意識の中声が聞こえる。聞き慣れた声
「ねぇねぇ。どうして2人だと思ったのぉ?夢で起こったことが絶対に起こるからぁ?でもでもぉ、いろんな予測は大事よねぇ?」
その声はふっと笑って言う。
「もう一回がんばろっかぁ。今度は違った攻略をしようねぇ?ハシモトくん♡?」
、、、、、、
………ぃ
…………おーい!
「おーーーい?聞こえてる?あなたが話しかけたのよ?」
倒れそうになる。いやダメだ。今倒れたらまた同じ状況になるに決まってる。
立て。立つんだ。まだ俺は、、、諦めない。
必ず生きて、この子に、、、、
この子に、、、ありがとうを言うまでは。
「さて、、、攻略を始めようか。」




