グルス王国 13
煙の中から飛び出すホムは多少なり顔などにコゲがついていたが、目立った外傷が無くリバへと走り続ける。
「”超魔力パンチ”」
「具現武装」
ホムの拳がリバに届きそうになった瞬間、拳と体の間に見えない何かが遮り塞がれた。
だが、ホムの力も完全に防げたわけではない。
その衝撃は残りリバは地面を抉りながら後ろへ吹き飛ぶ。
「まただ、なんかめっちゃ硬い何かが防いだ。」
ホムは自身の拳を見て素直な感想だった。
事実ホムは間違った事は言ってなかった、それ自体はリバの能力であり今はまだホムにはわからない事だからだ。
「捨て身覚悟の特攻で自暴自棄になったと思った事により俺は油断した。その油断をついた一度限りとは言え俺に一撃を与えた。」
リバはホムの一撃を防いだが、それは完全にではなかった。
防御した上から伝わる衝撃は予想を遥かに超えた重さであり、ホムの潜在能力の高さが伺えた。
「考える頭あるんだな。」
「9割ゴリ押し1割頭脳戦それくらいが丁度いい。」
「なら続けてみろ。」
その言葉の後にはリバは具現化させた魔力の拳をホムに叩き込む。
それに加えてただ殴るだけではなく接触したその瞬間に爆発が起こる。
「……近づけば爆発に巻き込まれるからやらないと思ってたけど普通にやるじゃん…爆発。」
だが、ホムもその爆発を魔力を纏った体は防いだ。
そのお返しの如くホムもリバに対して魔力を纏った拳を叩き込む。
脇腹に2発のフック、こめかみや顔面などにジャブやストレートとボクシングスタイルに、蹴り上げや回し蹴りなどの空手のスタイルも複合させた攻撃を織り交ぜる。
互いの激しいインファイトは周りに衝撃の余波で傷跡を残す。
1発1発が当たる度に魔力が飛び散り、飛び散った魔力が地面を爆発させたり、重さを持った魔力が地面を凹ませる。
その余波は魔力障壁で守っている国の城壁にまで振動が伝わっていた。
それぞれが守る自信の魔力防御は互いの攻撃に耐えていて魔力量が多いホムの方が長期戦になると有利だが、魔力の出力に対する操作に関してはホムの格上であるリバは、ホムの攻撃に耐えられるギリギリの魔力防御で消費を抑えていた。
互いが互いの限界を待っている状態で、どちらかはこの先にやられるのは目に見えていた。
(だけどそんな勝ち方してもその後がある私は、負けたも同然だ。)
ホムの目的はここで勝って終わる事ではなく、この先にいる国王の元に辿り着く事と、そこで自分の事を探る事であった。
文字通り死力を尽くして戦い勝つでは、その後の目的は達成されないだろう。
ユイトから言い渡された作戦は私とバルザックの2人で王国を覆う魔力障壁を破壊するだけ、ホムの目的とは相違があるが言い渡された作戦は成功させるつもりなので問題はない。
「だから、ここで負けるわけにはいかない。」
その意思に応えるかのようにホムの拳は白い光に包まれて、リバの魔力を突き破る。




