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眠れる森のホムンクルス  作者: 鼻眼鏡26号
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グルス王国 14


この世界において、S級とG級の違いについて人々は国に認められただけで実力は同じだと思われている。


理由としてG級には目立った記録が残らず国を守ることに特化しているため人々の注目はフリーのS級冒険者に向けられる。


フリーな為大金持ちや有名になったりと人々に夢を与えられる存在なのだ。


だが、そんな彼らはそれ以上の階級を貰う事は一生かけても無いだろう。


そこがゴールだと思い込んでいる内は……




ホムの白い光の纏った拳は、リバの防御を貫き遂に相手の胴体に叩き込む事が出来た。


強力な拳を叩き込まれた身体はその衝撃で後ろへと飛んでゆくが、同時に地面が大きく抉れていた。


「後ろに飛んだ?」


叩き込んだにも関わらず思ったよりも手応えが無かった事からホムはすぐにその分析を口にする。


「…まさか俺の鎧を打ち破る攻撃が来るとは思わなかった。面白そうだ。」


その言葉と同時にリバは笑みを浮かべて魔力を解放し先ほどよりも遥かに多い魔力量を凝縮し始めた。


「これを見せる程の相手は久しぶりだ。…具現武装”鎧”」


赤い魔力はリバ自身に纏わりついて凝縮されて形作る。


ドゴンッ


その音と共にホムの目の前には、赤い鎧を纏ったリバがホムの頬に蹴りが到達していた。


なすすべなく気づいた時にはホムは地面に頭から叩きつけられて地面にめり込んでいた。


しかし、それでは終わらずリバはその場で回転し地面にめり込むホムに追撃で回転の遠心力を利用し、そして足の鎧を変化させてハンマーに変えて


「”撃鎚”」


踵から爆発させその衝撃で足の振り下ろしは加速し叩きつけられた地面は追い討ちの如く爆発する。


魔力を覆って多少なり衝撃を防いだが、想定以上の威力にホムは一瞬だが意識が遠のいた。


しかし、今のリバには命取りである。


リバの使った本人の奥の手は、単純なる身体強化魔法であるがその力は自身の体を酷使する諸刃の剣だった。


この世界での魔力は、想像力と具体性をしっかりと持つ事で変化する。


リバの持つ想像力はより強固な防御で、具体性はこの鎧である。


敵を殴る盾は立派な攻撃手段であると考えたリバは、防御と同時に行える攻撃手段として自身の炎属性魔力をコントロールして爆発という特性を考え出した。


だが、そこにはもう一つ副産物として生み出されていた。


自由な発想により魔力の制限が解除され従来より多くの魔力を使用することが可能となっていた。


だが、魔力を制限無しで使うことにより普段制限されている身体には過ぎた力であるため負荷がかかり使い続けると自身を傷つける諸刃の剣でもあった。


そんな力を使わねばならないと判断したこの状況で、ホムの気絶は命取りであった。


「やっばい、マジで強い。」


距離をとって離れるも次の瞬間には目の前に現れるリバに、ホムは追い詰められていた。


これだけの実力差に今は、自分の力だけでは全く歯が立たないと理解してしまった。


だからこそ、ホムは諦めていた。


だが、諦めたのはこの戦いではなく、自分1人で勝つことだ。


この戦いが始まってから感じていた事がある。


私が相手しているこのリバは、国においてもこの世界全体においてもかなりの実力者だ。そう簡単に勝てる奴は居ないだろう。


普通ならば相対した時から実力差に萎縮したであろう敵だが、ホムはそんな事はなかった。


彼女はリバを超える存在感を持つ者の側にいたからだ。


「んじゃまぁ、よろしく…ユイト!」


ホムはユイトと全く同じ構えをする。



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