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だらけたい白騎士隊長と苦手な侍女は内緒の和平を結ぶ  作者: ユミエリ
第一章 だらけたい白騎士隊長は苦手な侍女と内緒の和平を結ぶ
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97 君との新たな約束2ーミラ視点

御無沙汰です。まだ不定期更新ですが、見離さず読んで下さった方々ありがとうございます。

私は驚きのあまりシリウス様から逃げてしまいました。

だってあの物言い、仕草、態度、そして私を見詰める眼差しは幼き頃に向けて下さった強くて好きなシリウス様だったから。


もしかして記憶を思い出して下さったと言うこと?


でも何で急に?


考えても答えなど見つからず混乱してましたら、下の方向より風が靡き私の髪を撫でた瞬間、目の前にシリウス様が現れるように舞い降りる。


軽くトンと木の幹に立ち、シリウス様は笑み私に近づいてくる。


何でしょうか、いつものシリウス様じゃないほどに色気が増して近寄られますと、無性にゾワリとした快感と共に逃げたくなる。

一歩後退しようとしたものの、シリウス様の足の長さと速度で一気に近づかれ詰め寄られます。


「な、近寄らないで下さいませ!」

「なら逃げないでくれないか。俺はミラに大事な話があって会いに来たんだからさ」


ニッコリと笑み、いつもの胡散臭くない笑顔にドキッとし、酷くムカついてしまう。

もう、なんなんですか。

記憶を思い出しての急な態度変換は、私が赤面するとでも思ってのことでしたら失敗ですよ。

こんなことで動揺しては暗部やメイドは勤まりませんから。


「逃げなければよろしいんですわよね。逃げないので近寄られては迷惑です」

「┄ハハハ、やっぱりそんな反応なわけねミラらしい」


シリウス様は離れ、僅かに人一人分の距離をあけたあと、何故かクスクスと笑っている姿にイラッとして足を踏んでやろうかと動けば、すんなりと避けられ腹が立つ。


「避けないでくれませんか」

「いやいや避けないと俺の足にダメージを受けるんだけど」

「はい、思いっきり踏みつけたくなったのです。私の怒り受けて立ちなさいよ!」


昔なら容易く踏みつけて怒りをぶつけられたのにとシリウス様を睨み付けて文句を告げたのに、不意に哀しそうな辛い表情を浮かべ、足をつきだしてくる。


「いいよ踏んで、俺はそれだけ傷を君につけたんだ。記憶を無くし、約束を無下にし、大切な君の母親を見殺しにしたからな」


やっぱりシリウス様は、あのときの記憶を真実を思い出して。


「ええ酷い事を私にしました。だから思いっきり踏みつけて差し上げます」

「┄ああ」


短く返事をされ、私は勢いよく足を踏みつけるふりをして腹部に思いっきり当てて差し上げた。

呻くように腹部を押さえるシリウス様は縮こまり、いてえと呟く。


「フェイントはきつい」

「ふふ、ざまあですわね。でも、それだけ許せない気持ちがあったんです。母の事はもう運命によって導かれていて理解していましたが、まさかシリウス様までも己れの運命に抗わず、勝手に逃げて、記憶を手放すは、私に対して無関心になりだすし、次にはまた私を振り回す、本当に本当に勝手でムカつきます」

「あはは┄まったくだよな」


うなだられて反省なんてしないで下さい。私は私は┄嬉しいんだから、記憶を取り戻したら良いと何度も思い願い、次には悔やんだ。


貴方を守れなくて、私の母を守ると誓い振り返り立ち去る姿に、もういいの‼ と叫んでも貴方は止まらず進んでいく。

カッコよくて、たった一人私を私として見てくれる貴方だからこそ好きになったのだから。


私はシリウス様に近寄り、しゃがみこむと彼を立たせてから笑みを浮かべた。


「これで許してさしあげます。だから貴方の話を聞かせて下さいますか?」


痛みの中に擦っていたシリウス様は私の顔を見るなり目を見開き、パチパチと瞬き、瞬時に赤面すると小声で「おう」とだけ返事を返して下さった。



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