80 ローズとの約束②
「確かに似てる、けど、けど! 俺は┄認めたくない」
フォルトロンが、自身の精神に負けたってことじゃないか!
そんなの、嫌だ‼
ギュッと胸を掴み、辛くて、悲しい気持ちになっているとローズ先生がハアーと溜め息をもらし
「ミラもお前と同じ反応を見せていたぞ」
「┄ミラ嬢も、そうか┄一番側にいた人物だからな、俺より辛いかもしれない」
チクッと胸に針が刺さるような気持ちになり、場所と状況を選ばない嫉妬がきそうで、余計に胸を締め付けた
「┄なあシリウス、ミラの事は好きか?」
「┄┄┄はい?」
唐突な話題変換に、ローズ先生に間抜けな声が出た。
何故にいまのタイミングで、ミラ嬢への気持ちを聞く必要がある
さっきまでフォルトロンの会話してたよな? 意味わからん?
「唐突かもしれんが、今後のためだ、いいから聞かせろ、お前はミラが好きか?」
再び確認をとるローズ先生の表情は真面目で真剣さを滲ませているせいで、茶化しているわけではないと意図を汲み取る
「俺は異性としてはミラ嬢の事を好きです」
言葉にすると、カーッと恥ずかしくなり顔が自然と赤面してしまうものの、言ったからには誤魔化す事をせずにローズ先生をみた
するとローズ先生はフフハハハと笑い出して、俺の頭をガシガシと動かしてくる
「やめろ‼」
「ハハハ、そうかそうか、ミラを好きか! ならば良い」
「┄意味わからんのですが?」
「意味わからんでいい、いまはまだな。それより約束しないか、私とお前だけで」
クスクスと楽しげに笑い出すローズ先生の思考が理解出来ずにいたけれど、別に悪意のあるものではないことは人柄的に信頼しているため頷き
「┄何を約束するんだ?」
「今後┄何があっても、ミラを守り、助け、側にいて幸せにしてやってほしい。ずっとな」
「┄何だそれ、まるで結婚しろって聞こえるんだけど」
「その意味をこめて言ってんだが」
「┄はあ⁉┄な、な、ななな! なんでそないなこと約束させんだよ! ミラ嬢だって、いつか好きな奴が現れるかもだし、俺なんて結婚したら、嫌な両親がオマケでついてくるんだぞ、不幸だと思うんだけど‼」
つい動揺のあまり、少し起き上がりながら捲し立てるように言い返すとローズ先生はハハハと軽く笑み
「そんなのお前次第であろう、ミラを幸せにするなら、不幸など蹴散らせ、そしてミラをお前の手で助け支えろ、シリウスならばミラをやってもいいと私は思っている」
「それにミラもお前のことは少なからず好意があるぞ」
フフと不敵に笑うものだから、ミラ嬢の好意が俺にあるんだとしたら嬉しいと思ってしまう
それにローズ先生の物言いも、こそばゆくも嬉しくて、父親のようなアドバイスは尊敬出来た
「┄変に恥ずかしいが、先生の言ってくれる言葉は勇気を貰えた気がする、わかった約束するよ、俺がミラ嬢を必ず守り幸せにする」
「┄┄そうか、ならば約束だ。絶対に忘れるなよ、男同士の約束だ」
お互いに手をおき握手を交わすと笑いあう
そうだ、これが約束だ。
なんで忘れていたんだろうか?
ふいに現実に引き戻されて俺は、目の前の光景を眺めながら思う
するとラーナリアが横にて複雑な表情を浮かべたまま、俺に向き肩に手を触れ
「┄シリウス様、この先の真実も見ますか、そうすれば忘れていた理由も知ることが出来ますよ」
と言われてラーナリアに向き直ると真剣さの中に悲しみが溢れていて、辛そうな瞳に俺は一瞬躊躇うものの、知ることで見えてくることもあると、ここまで知ったからには、最後まで知る権利が俺にはある気がした
「┄教えてくれないか、最後に俺が何を思い記憶を消したのか、そして偽りの記憶を作り上げた真実を、頼む」
まっすぐにラーナリアを見つめて願えば、すこしの間を空けて、躊躇いながらも居を決してくれたようで、画面にラーナリアの手が触れて映像が変わる。
そこには真実の映像が写り出していた。




