63 秘密の邂逅ージルビオ視点④
ジルビオとグラビアスの運命が動き出す、話になっています
店主は私の笑みに、呆れられたが、変に突っ込むような物言いはせず、真っ直ぐに私へと視線を向ける
「遠回りに話しても悟られるならば、率直に回避するための方法を述べさせてもらいますね」
「ああ┄頼む」
「┄┄えっと、まずは私が王国誕生祭の日までに、ジルビオさんの中にある宝玉を暴走しないための物を制作し完成させることですね」
「暴走させない物とは、どんな物なんだい?」
グラビアスが狂う事なく、苦痛がないならば良いが、どんな仕組みぐらいは把握しとかねばならない
店主は┄少し困ったような表情をされてしまうため、余程の仕組みがあるのだろうか? と返答を待つ
「実は┄本来、貴方本人が使って、宝玉を静める効果はあるのですが、身体に相当の負担を与えてしまうのです。そしてどうにか暴走もおさまります」
「┄苦痛か、フフッそんなのは気にせん、痛みなど昔に死ぬほど味わっている。それにグラビアスやシリウスを助ける事に比べれば、苦にならんからな」
昔にあった戦争紛いの紛争は私にえらく苦痛を味わされたものだ
少しばかり思い出して、クククとつい黒い笑みを浮かべていると店主がビクッと怯えられてしまい、すぐに優しいほうの笑みを張り付けた
「┄すまない、ちょっと昔を思い出してな」
「あはは┄そ、そうですか。少々心臓に悪い笑みなので、自重してください、怖いです」
「┄素直な感想ありがとう」
嘘、偽りなく言われ、悪い気はしないと私も素直に告げてみたのだが、妙に呆れと言いたい気持ちを我慢するという器用な事をしていたが、頭を軽く掻いて
「┄何かもういいです」
と短い返答をもらってしまう
「┄それで┄君が物、魔道具を制作するのはいいが、他に回避の方法はあるのかい?」
「まあ、あります。ですが┄次に話すためにも宝玉の彼と話をさせてくれませんか?」
おや? 宝玉を彼と名指しで性別をあてるとは、君は中々に面白い人だね
まあいい、グラビアスと話すのも、今後に関わるならば、彼女に危害を与えないように告げてやらねばならんな
「わかった、少しばかり気を失うが、私の身体を頼めるか、君を危険なめにあわす可能性があるから言いくるめてくるよ」
「┄┄あっ! は、はい┄お願いします!」
えらく即答とは、君の中にあるグラビアスは余程、狂暴なのだろうな
さて彼女の了承も得たし、少し心の中に入るかな
◆◇◆◇
瞬時に最短ルートで、心の中に入るとグラビアスが、うわっ! と情けない声で、尻餅をつくという面白い表現をしていて、プッと吹き出して笑ってしまう
するとムカッとしたらしく、ジロッと睨まれたが、反応がやはり幼稚だとしみじみ思えてしまう
「┄どうした、あれごときで驚いたのか、情けないな」
「お、おぉ┄驚いて、ないからな!」
「そうか、そうか、驚いたのかすまんな」
「だから、驚いたわけじゃ┄って笑いながら言ってんじゃねーよ!」
ムカッと憤慨するグラビアスに、うん子供の態度だと可笑しくなるが、あまりからかうのも、時間的にもったいないと考え
「さて、話は中より見てたんだよなグラビアス」
「┄へ?┄あ、ああ┄」
急な話題転換に、動揺するものの、私の言いたい事を瞬時に判断したらしいグラビアスに、長く一緒にいた頃の信頼はくめていたらしい
「それで┄だ。彼女は今回、お前とシリウスの運命を担う者だ、危害など加えるのは許さんからな」
「┄別に危害を加えたりしねーよ、ただ┄俺も少し話したい事があるからいいさ」
「そ┄そうなのか? それは珍しいが、どうした?」
妙にグラビアスが、彼女の姿に視線を向けて酷く悲しそうな表現をするものだから聞けば、グラビアスはただ苦笑を浮かべただけで応えず
「┄そんじゃ、ジルビオの身体を使わせて貰うぜ、久しぶりのシャバだ」
と明るく告げて、外側へと出て行った。
どうしたんだ、あいつ?
妙に不安定なグラビアスの態度に違和感を感じているが、考えても判断材料がないため、グラビアスの様子は内側から見るかと外側を見ると、急に何故か、外側が見る事が出来ないようにされた
「┄グラビアスが遮断したのか? でも┄何故?」
そんな疑問を感じたのと同時に、何だか嫌な予感がした
私に知られたくない、何かを彼女に聞いているのは明白だ
もし危険な事を考えている場合は、止めるが、もどかしさでイライラしていると、パッと外側の映像が見えるようになり、彼女が物凄く呆れていた。
「┄はあ~、貴方も貴方なのね、一応は┄わかったわ、貴方も頑張りなさいよ」
「ああ」
「┄じゃあ、ジルビオさんに変わってくれる?」
「ああ」
それだけ言い残すと私の所に、グラビアスが現れ、妙に清々しい表現になって戻ってきた。
本当にどうしたんだ?
理解が追い付けぬ気持ちで見ると、グラビアスはニヤリと不敵に笑み
「┄ジルビオ、お前とは共闘する決心がついた、今後に関わる情報は共有してやるからな」
「は?┄何だ、いきなり」
「┄ハハハ、気にするな! それより彼女が待ってるから行きな」
私に近づき、肩をポンッと軽く叩き通りすがると、俺は少し寝ると言い残してゴロンと寝転がった
まったく、お前が心配で言ってるのに、急に態度を変えられるとからかえんだろうが
まあ、話すつもりがないなら、無理にきくのも無粋だろうと私は外側に出て行った
しかし、私はこのときグラビアスに無理矢理でも彼女との内容を聞いておけばよかったとのちに後悔することになるとは思っていなかった




