62 秘密の邂逅ージルビオ視点③
今回は店主には、私に対する事柄で、知っていることや、グラビアスに対する対策をもし、知っているならアドバイスが欲しかったからだ
さて、どう切り出すかな?
ぼんやりと考えながら、近くの物を見ているとき、店主が戻ってきたらしく、お盆にコップを2つ乗せて戻ってきた。
「┄はい、どうぞ┄緑茶です。食後に飲むと落ち着けますから」
店主は私の前に緑茶という紅茶の茶葉の違う物を入れてくれたらしい
私は緑茶を見ると、うっすらと色づく緑色の液体に、匂う薬草を嗅いで口に一口含み飲めば、優しい味と少しの渋みが入って、ホッする味だと感じる
「┄美味いな」
「ありがとうございます」
礼を述べて彼女は、何処かホッとしているのを見て、きっと私の事で緊張しているのだろうな
他にも、別の理由があったりしてそうだが
まあ、記憶持ちならば、色々とあるのだろうが、下手に突っ込み警戒されても困るなと普通に接することにする
「┄緑茶は、落ち着けると言うが、本題に入りたいと思っている、相談にのってもらえるか?」
ビクッと急に跳ねるとゆっくりコップに口をつける前に、私を見てくると
「はい、わかってますから、ど┄どどうぞ‼」
と吃りながら返事を返された
まったく、この子は転生人だと言ってないのに、狼狽えすぎだが、わかっているならば都合が良いと、一度呼吸を整え、気持ちを落ち着ける
「店主よ、もし┄私の事を知っているならばアドバイスをくれまいか?」
「┄え? あの事じゃなく?」
「あの事?」
「いや┄いいの! ジルビオさんの事よね、うん知っている事で回避出来る事は話すわ」
あの事とは、何だ?
ちょっとした引っ掛かりを感じるものの、必要条件として話す権利は彼女にある、余計な詮索は私にとっては不利益でしかない
それにこの子は、あの者とは違い、悪ではなく、良い方の人種のようだし、嫌いではないため
店主の話を聞く体勢をとることにした。
店主は緑茶を一口飲み終えると、真っ直ぐに私を見てあと、コップをテーブルにおき
「では、話させて頂きますが、ジルビオさんは魔女クシラをご存知ですよね」
「┄ああ、よく知っている」
魔女クシラは、闇の眷属であり、彼女は自身の宿命の一族なため闇を身体に強制的に入れられていた昔から
だから理性すらも喰われ、いまでは狂った狂気となってしまった女性だ
「┄なら、話が早いです。実はそのクシラが貴方に宝玉の闇を根づかせた人物なんですよ」
「へえ~私の中にあるものが宝玉とは、大層な言い方だが、いまでは可愛い息子も道理だ。だが┄クシラが私に宝玉を植え付けた理由は、やはり闇を喰うためと判断しても言い訳だな」
「┄えっと、私が説明しなくても、お気づきだったのですか?」
「いや、少しのヒントで、だいたいの推測を瞬時に処理しただけだ。しかし推測は正解と言うわけかな?」
フフっと店主に笑みを浮かべあげると、何故かビクッと肩を跳ねて怯えていた。
おや? 何故に怯えられるんですかね?
そう思いながら様子を伺っていると店主は小声で何だかブツブツと文句を呟いていたものの
「┄よし、負けないから!」
と気合いをいれたらしいが、私を見ては、ちょっとビクッとなるのは、少し傷つくんだが
「┄何故に怯えているんだ?」
理由もなく怯えられるのは昔にはあったが、いまでは穏やかな性格になっていると自負している
なのに店主、女性に怯えられるのは、どうにも違う理由があると踏み、疑問をぶつけてみた
まだ私について、知っているのだろうと含みを入れて
すると店主は、うぬぬ! と呻きながらも、思考を巡らせるような態度をとり、私をみればまた唸り、最終的に深い溜め息を吐き出す
「えっとですね、私がいまから話すのは、少しばかり荒唐無稽の話になるんですが、宜しいですか?」
「構わぬ、君はもとより私にとっては敵ではなく、信頼に値する人物だと思っている」
私が思ったままを告げれば、えらく驚いた表情をされたものの、いまの言葉に今度はホッと安堵していた
「┄ありがとうございます。そう言って下されば、私の肩もおりますので。では少しばかり貴方に対して話します」
「王国誕生祭本番の二日目に貴方は、ある男┄えっと暗部のフォルトロンと言う人物が接触してきます。そこで貴方の内部に挿入された宝玉に呪符を増幅させ、闇を撒き散らす化身となります」
「貴方の自我は失われていて、内部の者も自我を崩壊しているため、周囲を認識出来ず暴走」
「┄そして周囲を巻き込み殺戮をし、最終的に邪魔な私を殺します」
「┄君を邪魔だから殺すか?」
「はい」
なるほど未来予知ではなく確実的な事柄のようだね
転生人の記憶持ちは、回避か凶行、または暴走するらしいと、彼女からは聞いているため
この店主は回避したいタイプと考えたほうがいいだろうと判断できる
「┄ならば回避できるすべを、君は持っていると思っていいのかな?」
「┄えらく素直に信じるんですね」
「フフっ、昔に君のような女性に会っていてね、同じ人種だろうと判断しただけさ」
「┄┄それって、まさか私と同じ人がいるのですか⁉」
「まあね。だから信じるんだよ、で┄どうする、回避させてくれるのかい?」
クスクスと少し意地悪く笑んであげると店主は、ワナワナと震えつつも、回避させてくれるのかい?と言った言葉を反芻しながら、ジロッと睨まれてしまう
「┄何だかシリウスさんのご両親って感じだって気かしますよ、まったく」
「おや? それは誉めてると、とってはいいかな?」
コクリと頷く店主に、また私は笑っていた




