30 閑話3 二つの魂は噛み合う時があるーローズ視点①
夕刻になり、私は自身の執務室に座り来客を待っている
一人でいることが、あの人の条件だったからな
だが、しかし┄だ!
シリウスの奴め、中間報告をせずに断るなど、よほど調べているものに対して疑問が浮かんだのだろうな
つくづく頭が切れる奴だよ
まあジルビオ殿の息子だからともいえるがな
紅茶を一口だけ飲んだ頃、扉にてノックの音がする、やっと客人がきたようだと、入室の許可を得れば、扉が開き客人が入ってきた
赤い髪に青い瞳をした人物、シリウスの父親で、私にとって学友の先輩であり尊敬していた、ジルビオ・コードその人である
「久し振りですね、ジルビオ先輩」
ニッコリと笑みを浮かべて声をかければ、扉の近くにて、ジルビオ殿は苦笑し扉を閉めた
「ああ、久し振りだね、ローズ君。私とサリエナとの結婚式とあのとき以来かな?」
「まあ、そうですね。貴方とは┄┄、それより席について話しましょうか? 私も色々と聞きたいですしね」
事情はわかるが、せっかく本人と会話が出来るのだ、こんなチャンスをいかさねば、のちの計画に支障がでるんですよ
そんな気持ちを隠して、席を進めれば頷き対面にジルビオ殿が座るなり、足を組んで前屈みに目を据わらせ
「さて┄俺を呼び出した理由は何かな?」
と話しかけてくるが、私はクスクスと笑ってしまう、いまは彼であると確信できたからだ
「呼び出した┄ですか? おかしいですね、私のほうが手紙にて呼ばれたんですよ、グラビアス殿ではなくジルビオ殿にね」
「┄┄は⁉ どういう┄┄、なってめえ、騙しやがったなジルビオ‼」
「ハハハ、騙してやったんだ、私が話があるんでな、変われ、グラビアス!」
「ふざけんな! てめえなんかに変わってなどやらん┄┄┄なっ⁉ それは、やめ┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄」
少し変わった喜劇が始まるが、ガクッと電池が切れたような状態になり、数秒の間があいたあと、バッと動き始めた瞳は銀色に変わる
「┄すまんな、変なものを見せて」
「いえ、先輩と彼とでは、纏う空気が違いますから、それよりグラビアス殿は、いまどうしてますか?」
「主導権をぶんどるために、奴と中で戦いねじ伏せてきた。意識はあるだろうが、聞いても害になる内容じゃないしな、またざまあみろとか思うが」
フンッと鼻で馬鹿にする感じは、昔と変わらないなと安堵するものの
いま起こりえてる状況は、けして良い方向とは言えないものとなっているため、ジルビオ先輩を見据える
「┄先輩は、よく出てこれてますね、何故ですか?」
「そのことを含め、ローズ君に話があったんだ。最近┄私の事を君とシリウスが調べているだろう?」
「はい┄そうですが、何か問題でもありますか?」
「あるってことはないさ、もとよりグラビアスがまいた種だしな。しかしだ┄私がしたと言う罪は子供騙しなものが大概だ、グラビアスは変に子供だからな」
「はあ? 俺は子供じゃねーよ! 肉体的なものに対しても快楽だって知ってるんだからな‼」
「煩い、黙っていろ! 私はローズ君と会話しているのだ!」
「┄┄チッ」
「まあ、こんな感じなんでな、子供だろ?」
二つの人格の対面を目の前で繰り出し、グラビアス殿を子供だと言う意見には、妙に同意できるなと思い頷いた
「話がそれたな、でな┄こんな子供がやった罪とは別に、どうにも私に違う罪を背負わせようとしている輩がいてな」
「あの者達ですか?」
「┄もう調べていたのか?」
あの者達と言った言葉に、先輩は瞠目し驚く姿に、ちょっと嬉しくもあった。
「一応は宰相の地位にいますので、色々と腹黒い貴族の心情を調べていましたから」
「┄┄それに、先輩があのような事をするとは、信じられませんでしたし、逆に制裁しそうですしね先輩なら」
「そうだな、いまなら少しは表に出れるから、こんな茶番はしたくないんだが、敵も中々に手強いんだ」
「そうなんですね」
ジルビオ先輩が、手子摺るなど、グラビアス殿を身体に侵入されてしまったとき以来だといえた
「┄それで、どうして身体の自由権を?」
「ある少女に、良い方向へのアドバイスをもらってな、お前は知っているか? この酒を?」
スッと魔術を発動させ、テーブルに置いた酒を見て驚いた、この酒は珍しい素材を主に使っているものであり
ジルビオ先輩には必要なものだと思えた




