27 閑話1 お鍋と魔道具は紙一重ークリスタ視点③
ちょっとの言い回しで照れる親友に、クスクスと笑ったあと私は、クラヴィウスとは、今後の対策として話をすることにした。
「私はミクトに対しては、父上から時おり聞いていたことがあったんだ」
「聞いていたこと?」
「前のゲイルの父親を封印した場所はラヴィも知っているだろう、そこに最近になって不審な動きをする奴等が出没しているらしいんだ」
「不審な奴等とは、クシラの魔女の配下か⁉」
「ああ、見事にな。そこにミクトもいて、何かを探しているようだったと」
戦いの痕跡は地面を焼き払う程に荒れ果てたと、調査隊が話しており
私にも報告がきていたからな
クラヴィウスは私の話しに、余計に眉間の皺を深くして、思案顔をしたあとに
「一応は理解したが、もしかすると言う可能性もあるやもしれない。何かあれば、教えてくれないか?」
と言われ、素早く判断するクラヴィウスの思考に感服しつつ頷いたときだった
コンコンとノックの音が聞こえた
「誰だ」
「ローズ様に仕えております、メイドのミラ・ルーラと申します。こちらにクラヴィウス様がいらっしゃると聞いて伺いました」
私はチラリとクラヴィウスを見れば、何故にミラ嬢がきたのかの理由がわかったのだろう頷いたので、入室の許可を出した
すると部屋の扉を開けて中に入ってきたミラ嬢は、私に一礼したのち、クラヴィウスに視線を向けたあとローズ殿の伝言を伝えていた
クラヴィウスは先程とは違い、アハハと笑いながらミラ嬢に対して優しげに微笑む
「了解したと伝えてくれ」
「はい」
短い業務内容を会話のあと、ミラ嬢はでは「失礼しました」とだけ言い残し去って行った
「えらく楽しげだな」
「┄楽しげか? まあ、ミラ嬢はメリアと同じで、俺の妹だからな可愛いんだよ」
「ふ~ん」
本当に妹としてならいいけど
お前、ミラ嬢と話してるとき、えらく甘い顔してたぞ
と言いたいが、余計なこと言って自覚したら色々面倒そうだから言わんがな
そんな会話のあと、クラヴィウスにもう1つの用があったのだろうと聞いておけば
ハッと思い出したらしく
慌てたように、魔道具の話しになった。
話の内容はクラヴィウスはどうにも、魔道具に料理の可能性を導きたいらしく、冬でも楽しめるものはないか? というものだった。
私はいま気に入って研究の事を話せば、嬉々として、それを完成してくれと言われた
なら、まだ試作品の鍋を1つ分けることにした
改良したらもっと良くしたいからな
薬屋の店主からは2つもらっていたしな、まだ研究には色々調べたいし、改良したら見てもらわねばな
そう思いながら渡せば、クラヴィウスから不敵な笑みを浮かべられて首をかしげ
「なんだよ」
と問えばクスクス笑われるだけで答えてはくれなかった。
余談だが
クラヴィウスから、その日の夜にさっそく家にて鍋料理を出したら、普通の鍋料理とは違い
味の風味や料理の根底が覆る程の旨味が際立つと称賛の言葉を頂くことになるが
私は、そのことが気になり、普通の鉄鍋の料理と薬屋の店主から貰った土鍋の料理を食べ比べて見れば
とてもじゃないが味が違い過ぎた
何故か? という追求が私の脳内を支配し
調べていくごとに理解し難い事実にたどり着く
なんてことはないが、僅かに魔力を含み
火と土、水と氷の魔力が入っていたのだ
なんだか、お鍋と魔道具を一緒にした紙一重の出来だと私は彼女の凄さを垣間見た気がした。




