26 閑話1 お鍋と魔道具は紙一重②ークリスタ視点
クラヴィストが出したものは、黒髪に白銀の布が編み込まれたお守りだった
チルトはお守りを愛しげに持ち
「これさあ、母さんが俺とあいつとで対になるようにと作ったものなんだ」
そう呟けば、懐からもう1つ同じ物を取りだし、重ね合わせると1つの絵柄が出来上がった
ヒマワリコンシェルジュ、夏に咲く大輪の花だ
えらく粋のあることをする方だったんだな
だがチルトは、すぐに悲しみに変わる瞳へと変わり、クラヴィストに尋ねていた。
これを何処で発見したのと
「これは、黒狼一族の広場だ、お前が我が母に生きるために強襲し、最後に逃げた広場でな」
「┄┄┄┄」
チルトは沈黙し、ギュッと両手で掴み顔をお守りにあて弟の名前を呟く
「ごめん、ごめん、ごめんな! お兄ちゃんが┄守ってあげられなくて┄┄一人で辛かったよな、ごめん」
苦しげに己か、弟への謝罪を呟くチルトに、私は苦笑する
「┄チルト殿、謝罪はいらんと思うぞ、ミクト殿はもしかすると生きている可能性があるのだ」
そう最初に見せた物をチルト殿が弟の物であると口にしたのだ、それがミクト殿の生存が確定したと確信できるものだった
するとチルト殿は私を見て、どういうことだ‼ と驚愕な表情をしてみてきた。
「最初に見せた物があったろ┄それは最近、この王都にある建物で発見されたのだよ」
私はそう言ってから、ベルハルトに映像再現のビジョン魔法を発動してもらう
「この建物に見覚えはないかい?」
「ここって、少し前に事件があった場所だ、貴族のハフビール伯爵の息子が孤児を誘拐した場所だと」
「そうだ、クラヴィストには、この伯爵について不正行為の証拠を調べていたらしくてな、そこで┄君の弟君に遭遇し、戦闘したんだ」
そうだよな、ってクラヴィストに告げれば、コクリと頷いたあとに話の補足を話してきた
「戦闘の末、ミクト殿の身体は人の凌駕をいっしていたな。俺は黒狼一族の者ゆえ、どうにかなったが戦闘能力は凄まじい者だったぞ」
「とまあ、クラヴィストがそこまで苦戦し、この証拠品を持ってきたんですよ」
私はベルハルトに映像を消してもらい、チルト殿を見れば、まっすぐに私どもを見て
「生存しているなら、ミクトは、ミクトは何処にいるんですか?」
と手の爪を食い込むぐらいに力を入れて問われ
私とクラヴィストは瞠目するも、チルト殿ならばと思っていた反応をされ互いに顔を合わせたあと
「┄いまは消息はつかんでいないが、知り得る情報が掴み次第、チルト殿に知らせよう」
「そうだな┄俺も、あるものを追っているんだ、きっと知らせてやる」
チルト殿は私らの言葉に、はい、頼みます! と返事を返してくれたのだった。
これによりチルトが運命の螺旋、歯車に組み込まれた出来事となるが
そのことで、ミクトの運命は生存か死かの歯車が1つ重なるものとなるのは、まだ┄ずっと先の未来、一人の聖女の物語にて語られることになる
◆◇◆◇
チルト殿へは今後の事を、話していくということで、話は終了し出ていったあと
少しばかりクラヴィストと話していた
「運命とは時に、人へと与えるものだと神が言うが、ラヴィはどう思う?」
「クリスタなりに見解したらいいだろう」
クラヴィストが、酷く不快そうにミクトの布を見ているものだから、きっとあの魔女のことだろうなと思い
「私が見解して見る世界とラヴィの見解は違うからな、同級生で親友のお前に私は頼ってるんだけどな」
あまり魔女のことは考えるだけ、疲れるから話題をそらすように告げれば、頭をテーブルにあててゴンッといい音を立てた
「おい、大丈夫か⁉」
あまりにも突飛な行動に驚いて、心配しているとクラヴィストは額を押さえ、私を見るなり
「┄唐突に友人モードになるな、恥ずかしいぞ、親友とか、バカなのか⁉」
などと文句を言いながらも、恥ずかしいのか顔が少し赤くなっていた。




