25 閑話1 お鍋と魔道具は紙一重①ークリスタ視点
夕刻までの時間の間を書いてます!
クロードの兄である、私ことクリスタ・キル・ファルナです。
唐突ですが、ここで1つ語りたいことがある
俺は魔道具に目がなく、研究に力をいれるほどに大概の物は作ったと自負していた
しかし三ヶ月前に、弟のクロードを助けるため、私はある女性に出会い、プライドを砕かれたが、逆に感嘆と尊敬、そして憧れを抱くようになっていた
薬屋の店主、年齢的にはクロードの嫁となったメリア嬢と同い年だと最近知ることになったのだ。
最初はもう少し年下の子供ぐらいだと思っていたので、本気で驚けば店主はムッとして睨まれた瞳は愛らしく、拗ねた顔は可愛いと思えていた。
だが店主は愛らしいだけでなく、色々と見たことのない発明を作ったりする
このまえなど、土鍋という物を作り、そこに煮込んだ野菜や肉団子を入れ、白菜や茸などを投入し、調味料を入れた、お鍋というものをご馳走になったのだ。
あれはとても美味く、他の所で食べたことのない美味しさだった。
だからこそ土鍋を借りて研究したくなった。
これで色々と生産出来れば、市民や他の貴族、王族の方々に暖かな料理を皆でつついて食べるのも一興だと思えたからだ。
はっイカン話が研究に行く所であった
まあ、そんな私をこんな研究に熱心に出来る店主だから、とくに気になってしまう存在となった。
そんなとき今日はどうにも騒がしく同僚が慌ただしかった
どうしたのかと聞けば、店主があるものの策により牢に囚われたと聞いて、私は研究を放棄し急ぎ駆けつけようとした
しかし┄ここ最近の研究が滞っていたせいで
副所長が私の首を掴み、力業でデスクに連れていかれた。
竜の血を持つ私が抵抗すれば、他の物では敵わないが、この副所長はとても怖く私の力をねじ伏せ、笑顔で怒るのだ
「┄逃げるなよ」
低い声で言われ、私は朝に助けにいけない気持ちを仕事にぶつけたのだった
そして昼時には自由の身になり、急いで牢に向かっている途中に店主の幼馴染み殿と会うことができた。
だからこそ声をかけてみれば、一瞬だが嫌な顔をされた。
どうにも彼からは不信な人柄だと思われているか、店主に好意を持つ私の心を感じてか敵意をむき出しにすることがある
きっと彼は彼女の事を好きなのだろう
まあ、負けませんがね
「何ですか、クリスタ殿」
出来るだけの虚勢を見せながらも返事を返してくれるチルト殿に、私は近づいて彼女の安否を尋ねることにした。
きっとチルト殿ならば知っていると思えたからね
「あのさあ、彼女は無事だったかい?」
「無事ですよ、隊長が処理してくれましたから」
そっか、隊長とはシリウス君だね
彼ならば色々と相手の事を知りつつ、弱い所や精神的な攻撃をしているはずだね
なら、相手も、もう2度と彼女を策にのせないだろう
「そっか、ならいいんだ。もしも無事じゃなかった場合、その者だけを血祭りにあげるところだったしね」
とても人として生きたことを後悔するほどに
そんな思いを含みながら呟けば、一瞬だがチルト殿が、冗談だよな? という表情をしてきました
本音的には実行するつもりだったが、黒い私の人格など見せる必要もないと、どうしまし? と見ていれば、どうにか幻聴だったと思ってくれたようだった
さて、ならば彼女の安否も確認できましたし
魔法省を出る前に、調べていたことをチルト殿に確認しないといけませんね
私はスッと感情を静めて、チルト殿を見据え
「一応の安否も確認出来たことだし、もう1つの用を済ませようかな。なあチルト君、きみの弟君のことで、少し話があるんだが┄いまから時間はあるかな?」
「弟の事を、ですか⁉」
「うん」
ミクトの事を確認するためにも、兄であるチルト君にアレを確認してもらわねばならない
私が頷けば、チルト殿は何かを思案しつつも了承してくれて魔法省の研究室に一緒に来てもらうため同行してもらった。
◆◇◆◇◆
研究室にチルト殿に入ったもらえば、そこにはクラヴィストと副所長であるベルハルトがおり、一度驚きながらも会釈をしていた。
私は出来るだけ緊張しないように、談話用の椅子にチルト殿を座らせ上座には私が、両側である右側にクラヴィストとベルハルトが、左側にはチルト殿がいる構図が出来上がった。
「さて、さっそくだがチルト殿、これを見てくれるかい」
テーブルに黒い残骸と、布の切れ端などを信頼しているラインに置いてもらう
チルトはそれらを見ると、ワナワナと震え
「こ、これ┄は┄ミクトの┄俺がやった奴だ」
「なんで、なんで! こんなものが、ここに、あるんだよ⁉」
バッと私に視線を向けてくる瞳は、悲しみと怒りが、いっぺんにやってきた憤りを感じた
そんなチルト殿にクラヴィストが、もう1つの物を取りだしテーブルに置く
「憤りを見せるのはいいですが、その前に┄これも確認してくれないか?」
淡々と冷笑を浮かべて言うクラヴィストに、つくづく父親に似てきたなと思いつつ
チルト殿は、ギュッと力を入れズボンの布を掴み、視線をテーブルに戻したあと、クラヴィスト殿が出した物を見て
ピクッと眉毛が僅かに反応する
「┄それ、何処で┄┄┄」




