13 静かなる両親と俺の関係
部屋に持って戻り、俺はそうそうに今日の調べたことを纏めるために机に、レポート用の羊用紙を用意したあとにインクを湿らせて書き連ねていると
内容を纏める中で、ミラ嬢に教えて貰った事柄を記しているとき
何だか不可解な疑問点が沸々と込み上げてきた
「なんだ、これは?」
両親だけが、前よりやっていた横領や脱税はわかるが、このことをどうしてあの方は知っているのか? いったいどのように調べたのか?
よくわからなくなる
俺は顎に手をあてて考えるが、まだ調べて、まもないため、答など見つかるわけがない
さて、どうするかな?
そう感じたまま、目を瞑り考えに浸るようにしていれば、俺は常に落ち着いて一人の世界に浸るので、頭の整理が出来る
しばし集中しているなか、まるで考えるのを邪魔するかのように、屋敷の建物を壊すのではと思うほどの音が聞こえ
俺はゆっくりと目を開けてみれば、ぎゃいぎゃいと一階から聞こえる声を耳にして、何故か俺は冷静に
ああ、帰ってきたのか
とか思い、部屋から出ようと扉を開ければ、余計にギャイギャイがバカな動物の如く騒いでいる
ああ、煩いな
俺は騒がしい両親だろう生き物を二階より下を見て珍しく母君だけがいた、へえ、珍しく母君だけか
そう思っていると、急に腕を捕まれ、壁際に俺の身体は押し付けられて、嫌に2度目の壁ドンをされた。
何だ? と思い顔を上げれば、そこには叔父さんがいた。
「┄ほう、だいぶいい形に育ったなシリウス」
「お久し振りです、っていうか、何で再会そうそうに壁にやる必要があるのですか?」
「驚いた顔を見ようと思ってな、まったく、この体勢に嫌がりなさい男として」
「叔父さんが男色好きなら抵抗しますが、別に奥さんもいて子供もいるかたが、アホなことしませんから、というか変なことすれば奥さんにチクリますけど」
「うわ~! いい性格に育ったな」
「お陰さまで、あの両親のせいですから」
諦め気味に発言する俺に、叔父さんは手を離して、頭をポンポンと撫でる
「やめて下さい、髪が乱れます」
「ハハハ、そう素直にならんお前が悪いのじゃ」
ガシガシと余計に撫でくり回され、擽ったい気持ちでいると
「┄サルファン! シリウス様にベタつくなシバくぞ!」
ツカツカとラーシュが現れ、叔父さんの頭を言う前から叩いていた。
「いたいな~! 言ってから突っ込め、防御出来んだろうが!」
「しらんわ、お前はマジで叩いて灸を据えんとわからんからな⁉」
バキバキと拳を鳴らすラーシュに、さすがに俺は止めに入る
どうにも仕事着でないラーシュは素になっているらしく、口が元に戻っていたことで短気になっているらしい
「ラーシュ、ストップ! 叔父さんは悪くないから、な、落ち着け!」
「┄くっ! シリウス様が、そう言うなら許しますが、何かされたら言って下さい、潰しますから」
ニコッと笑みを浮かべて言われ、俺は苦笑した
「あ┄それより、叔父さん┄母君が喚いてますが、何かあったのですか?」
ふと母君の事を叔父さんの衝撃的な行動にて忘れていたため、聞いて見れば、ラーシュも今頃、母君の存在に気づいたのか
「┄シリウス様、奥様をシメますか? 煩いと使用人が眠れませんから」
「いや、いいから」
「そうですか?」
少し残念そうな表情なラーシュだが、叔父さんはハハハと笑いだした
「ああ~サリエナはな、どうにもジルビオと喧嘩したらしくてな」
「は? 父上とか珍しいですね?」
「ああ、最近どうにも愛人と別れて仲良さげだったくせに、ジルビオが浮気をしたらしくてな、ムカついてるってわけだ」
「┄┄┄痴話喧嘩ですか?」
「さあな、最近は昔並みに落ち着き出したんだが、どうにも変な男が接触を図ったようで、人格が可笑しくなり出したんだ」
「昔とは、俺が小さい頃のように┄ですか?」
昔は優しく穏やかな人柄で、落ち着いていて、理想的な父上だった。
母君も父上を愛していて、心よりほんわりとした花を愛でる、ゆったりとした人格だと、そして俺にも愛情を注いでいたと叔父さんは説明してくれた
でも、俺はそんなのが本当は皮を被ったものではないのか?
そんな疑惑しか沸いてこない
不可解な展開な叔父さんの言葉に、聞き返せば
叔父さんとラーシュが一緒になって、頭をグシャグシャに掻き回されて、離されたときには乱れた髪が出来上がってしまい
「何をするんですか⁉」
と文句を言えば、二人して苦笑しつつ、謝りながら、理由的な弁論をされた
「いや、すまん、だがな┄シリウスが小さい頃よりは緩和されたんだぞ、まるで新婚並みに」
「┄そうですか? ギャイギャイと煩いですよ。あとシリウス様、確かに昔はあの方達も仲が良かったんですよ、ウザイぐらいに」
二人の言い分は、俺の年齢では知らない両親の理由を知っているのだろうが、俄に信じられるわけもなく
「まあ、別にいいが。父上はいま何処にいるのです?」
「ああ、ジルビオなら、もうすぐ来ると思うぞ」
叔父さんが、そう口にしたときだった扉が開き
玄関先で、父上が母君の名を呼び母君がその声に気づいて抱き締めあう
それは端から見れば、仲の良い抱擁に見えるが、俺からしたら、ただの喜劇の一幕にしか見えず、気味の悪さしかわかなかった
しかし、叔父さんはハハハと笑いながら「仲の良いことで」とか呟いている
騙されないほうがいいと思い疑惑で両親を見ていると両親からは、笑顔の仮面を被った化物にしか見えず
すぐに視線をそらした瞬間、叔父さんからは
「まあ、そんなにすぐには仲直り出来んよな」
と言われて俺は頷いた
その日の夜は叔父さんと両親が仲良く、晩餐のように笑い楽しげな声が聞こえ始める
俺はそれには参加する気はないため、部屋にこもり、頭から両親のことをなくして今日の調べ物へと集中した
◇◆◇◆◇◆
深夜近くまで仕事をしていたシリウスは、何だか眠ることが出来ず、散歩がてら外にでも出ようと部屋を出ていた。
廊下を歩き、一階へと下りた頃、不意に父上がフラフラと夢遊病のように歩きながら外に出て行こうとしていた。
俺はそんな父上を別に気にせず
ただ┄仲直りしたわりには、夜遊びかと軽い気持ちでいると、白い霞が架かるような気配が父上の身体から感じていた
なんだ、あれは?
俺はどうしてか、父上よりも白い霞が気にかかり、散歩のはずが父上の後を何故か追っていた。
後をつけること数分、屋敷の建物を離れた一角の場所に、俺も気づいていない銅像が立ち並んでいた。
龍や戦士、幾人もの猛者たる強さをもつ騎士などが、数多に隣接している┄まるで遺跡かのようで驚きが強く出ていたせいで
つい、父上を見失ってしまう
俺は急ぎ、気配を探り、歩いて奥へと進んでいくと林のような場所で、月明かりの射す場所でる
十メートルを円形に切り取られたような場所には、緑の草原に石積をした祠が一つだけあり、そこに父上が両手を組み祈りを捧げるような姿があった。
真剣に何者かの事を祈りなど、この父上には似合わないことをと思った、そのときだった、急に風が俺を凪いだ瞬間「シリウスか」と声をかけられた。
俺は驚いてしまい、逃避するのも忘れて父上を見てしまう
何故ならば、父上は今まで俺のことを息子として名前など一度たりとも優しげに呼ばれた記憶がなかったからだ。
だからこそ警戒を強める
「珍しいですね、俺を名前で呼ぶなど┄何かを企んでるんですか?」
「┄┄┄いや、別に┄それはないな。ただ┄お前の気配を精霊が教えてくれてな」
「精霊┄?」
「いや、いいか。それより┄どうしたのだ、夜に出歩くなど、お前らしくないな」
真っ直ぐに揺らぎのない瞳は、明るく聡明で、落ち着いた物腰は、本当に俺の父上なのか?
偽物が俺の前にいるんじゃないのか?
そんな疑惑が沸くが、纏う雰囲気が柔らかいだけで、存在感は父上そのものだった。
調子が狂うな
「別に頭が煮詰まったので、散歩していただけです」
俺は多少の嘘を交えて答えれば、父上はハハハと笑い楽しげだ
「嘘だな。お前は嘘をつくとき、眉が僅かばかり動く癖があるからな」
「┄な!┄なんで! あんたは、俺のことをちゃんと見てるんだよ⁉」
「┄┄┄息子だろう、私の」
間を開けて苦しげながらに言われつつも、何処か優しげに言われ、俺は一歩だけ後退する
「嘘は言われたく┄ない。あんたは、あんたは⁉」
ズキッ!
と頭に痛みが俺に与えられ、グッと顔に手を当てる、すると父上が慌てたように近づくと、俺に触れようとした。
バシッと俺が父上の手を払いのけるが、すぐに手を捕まれる
「シリウス! お前は┄また禁忌の技を使ったのか⁉」
「はあ?┄意味┄わかんねえよ!┄離せ‼」
「離さん、こんな強引に技を出すなど、私が正気であったなら、止められたのに┄┄グラビアスめ」
父上は酷く辛そうに、俺を見ている、正気とかグラビアスって何だよ!
そう思うけれど、今日は何故か頭の痛みが全然引かない、嘘は言うなと言って、あんたはと言いかけて俺は、俺はーーーーー
「シリウス! やめなさい! 無意識に力を使うな、下手をすれば消えるぞ、また⁉」
ガシッと父上に掴まれ、俺の顔を真っ直ぐに向けてくる、すると父上が優しげに笑い
「お前の力はまだ、未熟なのだ、落ち着いて呼吸を整えろ、そうすれば思いだしたときは気持ちが落ち着いてくる」
と言われ、何故か俺は父上の言われるがまま、呼吸を整えるべく実行していた
すると意外にも頭の痛みが引いてきた、それと同時に、何かを思いだしかかっているが、よくわからないままだった。
「どういう┄こと┄だよ」
困惑気味に父上に問えば、頭をポンボンと撫でる手は暖かく、今まで感じていたことなど、嘘のように感じる
何なんだ、今日の父上は?
そんな疑問がわきながら俺は、一度だけ、こんな父上を知っている気は、何故かいまは思えた
ジッと父上を見れば、苦笑を浮かべていた
「┄気味が悪いよな、いまの私は」
「ああ、気味が悪いけど、いまのあんたは┄嫌いじゃない」
そう口にすれば、何だか妙に照れ臭く視線を逸らせば、父上はハハハと軽快に笑い
バシバシと背中を叩かれ
「┄そうか、嫌いじゃないならいい、私もお前が、いや息子達が大好きだからな」
と楽しげに言われ、妙にむずかゆくなるため、ちょっと憎まれ口を叩いてしまう
「やっぱり今日のあんたは変だな」
「┄フフ、まあ、シリウスからしたら、アッチとの接触が多かったからな、でも私のほうが主人格なんだよ」
「さっきも┄そんな言い方をしてたよな?┄いったい、どういうことなんだ?」
「事情は話せないんだ、私は┄いまアッチが寝てるから出てこられたんだが、もう目を覚ます時間が近い」
「なら、簡潔に話せば」
「無理だな、だが夜なら話せる、シリウス、私のことを信じてくれるなら、いつか私を罰しなさい」
「罰するつもりで、いたが不可解な点があるんだ、それを┄聞いてはダメか?」
「┄次の日、ならいい。シリウス、私にグラビアスに気を付けなさい、彼はシリウスの力を盗む気だ、あいつの思惑には┄くっ!」
「おい、大丈夫か?」
父上は首を振り、小さく「もう、いきなさい┄はや┄く!」と呻き、身体ごと崩れ落ちていった。
俺は、一瞬┄躊躇うも、踵を返して走り去った




