43話 唖然
このサブタイトルは話の一つ一つを分かりやすい様につけているだけであって、もしかしたらこれから進めていく上で変えることがあるかもしれません。
というより、2文字で決めるのに限界が…
「ここでやるぞ。
精々、間抜けな所をリリーに見せないようにな。」
軽く挑発してから坊っちゃんは離れて行った。
そんなことを言われても悔しく無いが。
これは負けるフラグだな。
ある程度離れた所で坊っちゃんは振り返った。
「リリー、僕の勇姿をしっかりと目に焼き付けていてね。」
その言葉一度聞いたぞ。懲りない奴だな。
もちろんリリーからは華麗にスルーされているが。
ざまぁ。
「いくぞ。」
坊っちゃんは一言こちらにつげ、集中しだした。
だが、何もしないでいる俺を見て不思議に思ったのか何かわめきだした。
「魔力を練らずに僕に勝つつもりなのか?
それとも、魔力を練る事も知らないのか?」
魔力を練る?
よく分からないが知らないな。
俺が何も言い返さない事に腹を立てた様子もなくまた集中に戻った。
やがて魔力を練るのが終わったのか魔力を飛ばしてきた。
「まぁ僕と戦うのは早すぎたのだろう。
これで終わりだ!」
何故か勝ったつもりでいるみたいだがそんなに簡単に負けるほど弱くは無いって。
「何!?」
坊っちゃんが飛ばした魔力は俺が展開した魔力障壁に当たりいとも簡単に霧消した。
かなり驚いた顔をしているのでなんか楽しい。
楽しいが…
「やり過ぎたか…?」
魔力は多いと言っていたので少し強力な障壁を張ったつもりだったが…
坊っちゃんはもう一度魔力を練るとさっき当てた位置と全く変わらない所に魔力を当ててきた。
そのコントロールには感心するな。
だが、俺が展開した障壁に当たりヒビを入れることすら叶わず霧消した。
「何て堅さだ…」
「あの魔力でEランクかよ…」
「ハーフだと聞いたから魔力は高ランクの方が遺伝したのかしら?」
俺と坊っちゃんの撃ち合いを見ていた生徒が口々に色々な事を呟いている。
やっぱり注目浴びてるな。
極力目立たず実力を隠していようと思っているのに注目を浴びる様な事をさせられるとなぁ。
「貴様!
そんな所に隠れて戦わないつもりか!
貴様は卑怯で臆病者か!」
自分勝手な取り方だな。
でも、坊っちゃんがこの魔力障壁さえ無ければ勝てるみたいに言ってるから少しからかうか。
そう思い魔力障壁を解いて魔力を投げた。
「やっと出てきたか。でも、その程度じゃ僕に当てる事すら出来ない!」
と格好つけながら障壁を展開した。
それほど魔力を込めなかったので簡単に霧消した。
それから撃ち合いになった。
坊っちゃんが投げる魔力をこちらも魔力を当て相殺。
それを何度か繰り返すと徐々にペースが落ち、坊っちゃんも疲れてきたみたいだ。
「何という魔力量。」
「彼は本当にEランクなの?」
…偶然だな。
俺はここで坊っちゃんが言っていた魔力を練るということが気になりだしてきた。
練るというくらいだからこねるのだろうか?
今までの坊っちゃんの状態からすると体内にある魔力を練ってから外に出すみたいだ。
気になったら即実行だな。
体内にある魔力を意識して粘土をこねる様にしてみた。
何か違うような…
こうか?
いや、こうだ。
試行錯誤しながら魔力を練ってみた。
よくわからなかったが練り終わった魔力を坊っちゃんに向けて放ってみた。
すると、俺の魔力量でも大量の魔力が抜けるのがわかり、軽い脱力感を感じた。
それに引き換え俺の放った魔力は普段の魔力より遅めのスピードで坊っちゃんに向かって飛んでいった。
それに嫌な予感がした俺は即座に呼び掛けた。
「逃げろ!」
放った俺が言うのもおかしいが逃げるように言った。
俺の放った魔力は坊っちゃんに向けてズンズン進んでいった。
途中地面に一部が擦れ始めたが地面を削りながら直進するのを見て嫌な予感が的中したのを確信した。
魔力を練るとは魔力を圧し固めて出すことみたいだ。
俺が逃げろ!と言った事で余計にプライドを刺激されたのか坊っちゃんは逃げずに魔力障壁を展開した。
「フッ、それが貴様の最大の攻撃だろう?
だったら、それを防いでやろう。」
今までより格段に強力な障壁を展開していた。
だが、俺の魔力が当たった瞬間いとも簡単にガラスの様に障壁は崩れ去った。
「は?」
渾身の障壁がいとも簡単に破られたのを見て放心状態に陥っていた。
弱いと思っている相手に負けるのがよほど嫌みたいだ。
そして、魔力を避けられなくなる寸前に何とか再起動を果たし横へ後の事を考えないジャンプをしてなんとか魔力から逃れた。
だが、俺の放った魔力はそのまま直進し壁にかけられた結界をも破壊して壁を吹き飛ばしようやく霧消した。
それを周りで見ていた生徒や、普通に授業を受けて魔力の撃ち合いをしていた全員が口を大きく開けて唖然としていた。
また、やってしまった。
読んで頂きありがとうございました。




