42話 策士
貴様の坊っちゃん、いつまで威張っていられるのでしょうか?
「この訓練場の壁に強力な結界が張られてるな。」
訓練場に着くなり周りにある壁に強力な結界が施されていることに気付き、その結界の強度に唸るように呟いた。
「本当だな。
俺でも言われてみれば気付くくらい強力な結界みてぇな。」
「お、気づけたのか?」
「ちょっ、俺をバカにし過ぎだ!」
レオンをからかってから授業が始まるまで、訓練場の端で大人しく授業が始まるまで待つ事にした。
「リリー、この僕の勇姿をしっかりと目に焼き付けていてね。」
おい、来やがったぞ。坊っちゃんが。
「頑張って下さいね、コウさん。」
リリーも無視している。
ざまぁ。
「おい、君。
僕と魔法実技の授業で戦え!」
何言ってんだコイツ?
リリーに無視をされその視線が俺にも向いている事に気づいたのか俺に授業で戦うよう言ってきた。
「Sランク様にEランク風情が勝てませんから遠慮しておく。」
「なんだって!
逃げるのか、君は!」
「お前と戦ったところでメリットが無いな。」
「何!」
ヒートアップした坊っちゃんが何か言おうとするのを遮る様に声をかけてきた人がいた。
「今日の授業は魔力をそのまま打ち出して攻撃したり、密度を高めて防御して、魔力の制御を学ぶ授業なのでランクがあまり関係無いので戦っても問題無いと思いますよ。」
「それでも…」
「魔力制御が上手い人でもEランクということもありますし、魔力制御が甘い人でもSランクということはあり得ることですから。
少ないですけど。」
「ほら、僕と戦え。」
アルカ先生、小さく笑っているな。絶対楽しんでる。
そこでリリーが俺を心配そうな目で見ている事に気がついた。
リリーも俺が魔力制御が苦手だということに気がついていて心配してくれているのだろう。
俺も心配だ。コイツを怪我させることより、ボロが出ないかということにだが。
「アルカ先生、俺は魔力制御が苦手ですので、魔力を出しすぎたり、逆に少量すぎたりするかも知れないのでやめておきたいのですが。」
「それなら余計にSランクの生徒とした方が良いと思いますよ。
魔力を出しすぎてもSランクの生徒ならどうにか出来るでしょう。」
「俺は魔力保有量は自信があるので、もし出しすぎてしまったら対処出来ないかも知れませんし。」
「貴様ごときに負けるほど弱くは無い!」
しまった!つい坊っちゃんを弱い様に言ってしまい、坊っちゃんの無駄なプライドをキズつけてしまった。
この人、策士だ!
「あー、分かった。戦うから。」
「言質はとったからな。
リリー、貴女がいつも見ているコイツが取るに足らない存在だと教えてあげるよ。
そして僕の方がリリーに相応しいとね。」
はぁ、リリーを口説こうとするのは良いが、リリーの目と取り巻きの目が鋭くなっていっているのに気付くべきだな。
そんな事を思っていると授業開始の鐘が鳴った。
「はい、皆さん。
今日は初めての魔法実技の授業ということで今日行うのは魔力制御の練習になる魔力の撃ち合いをしてもらいます。
2人1組になって今から配る腕輪をしてから魔力の撃ち合いをして下さい。
この腕輪は一定の攻撃を代わりに受けてくれる効果があるので腕輪が壊れたら、壊れた方が負けです。
この腕輪は高くはないですが、安くもないので授業以外で遊んで壊さないで下さいね。
では、始めて下さい。」
「よし、貴様。やるぞ。」
こうして俺は坊っちゃんと魔力の撃ち合いをすることになった。
もうすぐ待ちに待っていない定期考査が近づいて来ました。
この頃投稿が遅れ気味なのにすみません、また遅れそうです。
見捨てないで下さいねm(__)m
読んで頂きありがとうございました。




