エッセイ『東日本大震災の時の友人のエピソード』
『東日本大震災の時の友人のエピソード』
甚大な被害が出てしまった東日本大震災ですが、その中でも不謹慎ながら笑ってしまった話をご紹介します。
震災の前夜、トラック運転手だった友人は面倒でいつも煙草を十カートン買っていました。
そして当日、夜勤明けで寝始めた時にあの警報が鳴り、思わず飛び起きて眠い目を擦りながら近くにあった防災用バッグを引っ掴んで急いで高台に逃げたそうです。
案の定、津波が来て家は流されてしまいました。
「命が助かっただけでも良かった……」
そう思い、友人はバッグから水を飲んで落ち着こうと思ってバッグ漁り、その時気付いたそうです。
防災用バッグだと思って持ち出した物はよーく見たら仕事用のバッグだったそうです。
つまり、煙草十カートンが入っているバッグだったのです。
「煙草吸って落ち着こう……」
そう思いとりあえず一服。
「いやいやいや!そうじゃねぇ!食料はどうすんだよ!?」
と我に返った友人は煙草と食料を物々交換していき、何とか水一リットルと乾パン二缶と交換出来たそうです。
その後も「嗜好品」に飢えていた色んな方々から煙草と食料を交換していったそうです。
「意外なところで需要はあるんだな……」
と友人は言っていました。
ホッとした半面、少し笑ってしまいました。
しかしながら、あの災害で多くの方々の命が失われた事に変わりはありません。
亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます




